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東大生が新元号をガチ予想してみた

本気で考えてみた。

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 2019年、新しい天皇陛下の即位に伴い、元号が変わります。新元号は2018年の夏に発表とのこと(予定)。新元号の発表まで1年ほど。果たしてどんな元号になるのでしょうか。

 気になりすぎて夜しか眠れなくなった僕は、新しい元号を勝手に予想することにしました。正解は1年後!

元号にはルールがある

 元号は政治家が自由に決められるわけではありません。当然ながら命名には厳格なルールが定められており、そのルールに当てはまらない元号は採用されません。

 具体的なルールを定めている「昭和54年10月23日の閣議報告」から、6つのルールを引用します。

 1.国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。

 2.漢字2字であること。

 3.書きやすいこと。

 4.読みやすいこと。

 5.これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと。

 6.俗用されているものでないこと。

 はい。どれも当然のように思えます。まったく候補の絞りが効きません。ここから頑張って元号候補を探していきます。

 ルール2.の「漢字2文字」ですが、実は過去には「天平感宝」など「漢字4文字」の元号が5つありました。豆知識。

まずは漢字をしぼる

 上記6つのルールからでは全くしぼりが効かないので、ここからは複数の仮定を導入して議論を進めていきます。

 まずは過去4つの元号を見ていきましょう。テストでいう所の過去問に相当しますね。

  • 明治
  • 大正
  • 昭和
  • 平成

 これら4つの元号は元号として名付けられる前、熟語としては存在しませんでした(ルール6.「俗用されていない」)。

 つまり、今まで組み合わされたことのない漢字2つを使い、新しいことばを作る、ということが元号の命名に必要となります。とすれば、まずはパーツとなる単漢字をしぼっていくのが良いでしょう。

 まずルール1.「国民の理想としてふさわしい」を見ます。これは何を言っているのでしょう?

 過去4つの元号を見て解釈します。思うに……これは「漢字1文字1文字に良い意味がある」ということでしょう。明るい。治める。大きい。正しい。昭らか(あきらか)。和やか。平らか。成功。

 過去4つの元号に使われた8文字は、全てが「それ自体良い意味」を持っています。

 ここから考えるに、新元号には「傷」などの「悪い意味の論外な漢字」に加え、「森」などの「良くも悪くもない漢字」も使われる可能性は低い、という予想が立てられます。

 さらにルール3.とルール4.の「書きやすく読みやすい」。これも勝手に解釈していきます。元号は日本国民全員に書きやすく読みやすい必要があります。小学生であっても書けて読めなければいけません。

 ここから、新元号に使われる漢字は「小学校低学年(ここでは3年)までに習う」可能性が高いと考えます。小学3年までに習う漢字の数は440(案外多い)。ここから「それ自体良い意味を持つ漢字」を抽出します。

 次のような理由から、漢字をしぼっていきます。

 「一」など漢数字……平成○○年、などと書くときの○○と混同する可能性があるため除外。

 「安」……意味は良いものの、もともと「女性が家にいること」を表した漢字であるため、女性の社会進出が進む現代社会には不適合。


 「道」……こちらも由来に難あり。そもそもが「異民族の生首を埋めて清めた」という成り立ちの漢字なのです。そうしていろいろ考え、残ったのが下の漢字たち。

 円 学 玉 金 上 正 生 天 文 立 楽 活 京 強 教 元 公 広 光 高 合 才 社 心 新 晴 明 運 感 幸 始 真 進 整 想 福 陽 礼

 ここから2文字を拾ってつなげたものが新元号に選ばれる可能性は、かなり高いのではないでしょうか。さらに仮定を導入し、候補を選んでいきます。

大胆予想、2文字目は「セイ」

 デカイ仮定を立てました。2文字目に「セイ」と読む漢字が来る可能性があります。

 なぜならば、今回の新元号は今上天皇の生前退位によるものだから。「平成終わった感」のにじみ出る元号よりも、「平成にちょっと似た」元号が採択されると予想します。

 実例をお出ししましょう。第125代・今上天皇の前に生前退位を行ったのは江戸時代・第119代の光格天皇。彼の治世の最後の元号は「文化」でした。そして第120代・仁孝天皇最初の元号は「文政」。「文」の字を受け継いだのです。


(左:光格天皇 右:仁孝天皇)

 生前退位で、先代の天皇が存命である以上、ある程度「平成」に敬意を払った元号が選ばれる、と考えても不思議ではありません。

 それではなぜ「平」の字を使わないかと申しますと、それでは「アルファベットでの頭文字」が被ってしまうから。

 平成を「H」と書く慣習がある以上、頭文字が「H」になる元号は実用上の支障をきたすため、恐らく却下されるでしょう(同じく「M」「T」「S」から始まる元号も可能性は低い)。

 ですから受け継ぐなら2文字目の「成」。パット見の読み間違いを防止する観点から、「セイ」と読む別の漢字を当て、読みだけを残す可能性があります。

これが僕の元号予想だ

 ここでは2文字目として、「セイ」と読む漢字のうち、明らかに「セイ」としか読めないものを選びます。例えば「正」は「セイ」とも「ショウ」とも読めるので、今回は外します(ルール4.「読みやすい」)。

 「ヘイセイ」の要素を引き継ぎつつ「ヘイセイ」から明らかな発音上の違いを付けなければなりませんから、1文字目が「○イ」となる可能性は低いと考えます。

 頭文字にも気を使いつつ、僕の導き出した答えがこれ!


小渕恵三元総理っぽく構えてみた筆者

 「玉晴(ギョクセイ)」

 ……違和感は当然です。なぜならまだこの世に存在しない単語だからです。

しかし「玉晴」は選ばれない

 ここまで論を展開した後に言いたくないのですが、「玉晴」は、恐らく選ばれません。

 理由は、この記事自体。

 民間で勝手に予想された元号は、おそらくルール6.の「俗用されていない」に抵触することとなります。元号を考える専門家がこのページを見たら、彼/彼女はきっと思うのです。「予想されてるから『玉晴』はやめとこう」と。

 過去にも、新元号案が新聞に掲載されてしまい、政府がその元号を見送ったという話が(不確かながら)あります。大正天皇崩御の折、毎日新聞が「次の元号は『光文』」という誤報を出した「光文事件」が広く知られます。

 光文が発表前に掲載されてしまったため、政府が元号を「昭和」に変えた、という、うわさじみた説があるのです。

 そんなわけで、新元号は恐らく「玉晴」にはなりません。元号予想はほぼ必ず失敗する哀しい運命にあるのでした……。

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