大阪府立登美丘高校が第10回日本高校ダンス部選手権で披露した、“バブリーダンス”が「キレッキレ」「ゲロマブ」と絶賛されています。チームを指導し、今大会の振付を担当したコーチを取材しました。
夏の高校ダンス部日本一を決める「日本高校ダンス部選手権」ビッグクラスで、衝撃のパフォーマンスを披露したのは登美丘高校ダンス部の女子部員。総勢90人からなる部のオーディションで選ばれた40人が華麗に舞い踊りました。
荻野目洋子さんの大ヒット曲「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」に、平野ノラさんのバブリーネタをマッシュアップした楽曲を使用し、鬼気迫る表情でコミカルな動きをスピーディーに繰り返す振付が話題を呼びました。
また80年代を意識した肩パッド入りの衣装や、バブルを象徴する“ジュリアナ扇子”、トサカのような前髪などの細かい設定や、平野ノラさんがネタに使用するデカすぎる“携帯電話”といった小物も忠実に再現し、注目が集まりました。
大会には3連覇がかかっていましたが、結果は残念ながら準優勝。しかし圧巻のパフォーマンスは多くの人の心を動かし、荻野目洋子さん、平野ノラさん、藤井隆さん、しずる・村上純さん、ブルゾンちえみさん、マテンロウ・アントニーさんなど芸能人も続々と反応しました
特に「ダンシング・ヒーロー」をネタの出囃子(でばやし)として使っているノラさんは、「登美丘高校ダンス部のみんな!ぶっ飛びバブってる!!!!!!これぞまさに熱いビート鳴らしてるー!ゲロマブすぎるゾ」と熱狂的なコメントを寄せています。
芸能人によるコメント
誕生は忘年会がきっかけ、意外すぎる“バブリーダンス”秘話
このダンスを考案したのは、登美丘高校ダンス部の卒業生でダンサーのakaneさん。現在は登美丘高校でダンスコーチをしながら、大阪、梅田のスタジオアッシュと、岸和田のスタジオネクストワンでダンスインストラクターをしています。
――今回のバブリーダンスがネット上でかなり注目を集めています
akane:ありがとうございます。話題になっていてうれしいです。
――ダンシング・ヒーローを楽曲に用いたのはどうしてなのでしょうか
akane:私自身、80年代ソングが大好きなことがすごく大きいです。荻野目さんがカバーされている曲はもともとAngie Goldさんの「Eat You Up」という曲なのですが、原曲が本当に大好きで、何度も聞いているうちに曲の奥にあるリズムとかそういったものを感じて本当にステキな曲だなと思いました。最近はノラさんもネタに楽曲を使用されていますし、そこから連想されるのはやはり「バブリーだろう」と振りを考えました。
――振付は今回の大会に合わせて考え出されたのでしょうか
akane:いえ、実はこのダンスは昨年の忘年会で私ともう一人のコーチで披露した出し物がベースになっています。2人で踊ったところ思いのほかウケて、生徒たちも「面白い」と言ってくれていました。今年のテーマについてはネタに走らない予定だったのですが、メンバーが確定した際に「今年の子たちは例年以上にダンススキルが低い」という問題があって、インパクトを出せるコミカル路線で行くことを決めました。
――衣装もとってもステキでしたね
akane:衣装は古着屋さんやネットでかき集めたり、中にはお母さんやおばあちゃんが当時着ていたものを衣装にした子もいます。上着1000円、スカート数百円などリーズナブルなものばかりですが、中にはイブサンローランなどのブランド物もあって、衣装集め自体も楽しかったです。また大会を勝ち上がるにつれて「スパンコールを付けた方が良い」「ラインストーンもつけよう」といった意見も出てきて、生徒たちが手作業で何千個とそれらをつけたんですよ。
――すごいですね。メークと髪形も“バブリー”な仕上がりでした
akane:髪形に関してはOGの保護者の元美容師さんが1人で40人分のヘアセットを全てやってくださっているんです。大事なのは「その子に似合うかどうか」なので、ロングヘア、ショート、ソバージュ、金髪、地毛、ウィッグなどいろんなバリエーションの髪形があります。とても手間がかかっている部分なので、評価していただけて本当にうれしいです。
――akaneさんは登美丘高校のダンス部の卒業生とのことですが、ダンスコーチになったきっかけはなんだったのでしょうか
akane:私が在学中のダンス部というのは、もともと存在したダンス同好会からやっと部になったという感じで、今のダンス部とは全然違います。厳しくはありませんでしたし、楽しく部活がしたいという子が圧倒的多数でした。しかし私が卒業した2011年以降、後輩たちから「全国大会に出たい」「優勝したい」とコーチの打診を受け、「それなら私も本気でやってみたい」と、2012年ごろから指導し始めました。ただ初めのころは指導時間も少なくて大変でした。
――指導時間が少なかったというのは
akane:私が東京の大学に通っていたからです。しばらくは私が東京と大阪を行ったり来たりするというような指導法を続けていましたが、やはり限界がありました。そしていよいよ大学を卒業することとなり、当初は東京に残る予定でしたが、このまま東京にいてもアルバイトとダンスの毎日ですし、それならいっそ自分のダンスチームがあって、自分が一番やりたい振付ができる大阪へ戻ろうと。そうすれば登美丘を優勝させることもできるかもしれない、と大阪へ戻る決心をしました。
――指導し始めてからのダンス部の成績はどうだったのでしょうか
akane:私が指導し始めてからすぐに全国大会への出場はできるようになりましたが、その中でも2014年の代の子は、本気で全国優勝を目指していて、地方大会でも結果を出している子たちでした。そのときは本当に、何が何でも優勝したかったのですが、結局3位という結果になりました。このように消して順風満帆だったわけではありませんが、このときの経験は今回にも生きています。
――経験を重ねてどんなことを感じますか
akane:試合を勝ち進むと、生徒たちがネガティヴになってしまうということが分かりました。自分たちに自信がないんですね。そうなると本番で浮ついてしまって、結果的に残念な気持ちで大会を終えてしまうことにつながります。ですから、今回の大会でも「全然だめ」「できていない」とあえて厳しい言葉で生徒たちを鼓舞し、最後まで油断させないようにしてきました。
――準優勝という結果についてはどう感じられましたか
akane:納得しています。生徒たちには「ベストパフォーマンスへ持っていくことへの難しさ」「どれぐらい日本一になりたいという気持ちがあったか」など大事なことを学んでもらえたのではないかと思います。
――最後に、次回の大会へ向けてのお気持ちを聞かせてください
akane:今大会ではとても悔しい思いをしたので、次回は今回と同じようなインパクトを残して、なおかつ優勝できるように、日本一になれるようなプロセスを積み上げていきたいと思います。生徒たちには今後も日本一になれるような行動・練習を心掛けてもらいたいです。
akaneさんによると、生徒たちは普段からダンスに全力を注ぐため、学校の規律をきちんと守り、日々日本一になるための努力を続けているとのこと。ダンスを通じてたくさんのことを学んでいるようです。
ひと夏の青春に全てをかける高校生たち、これからも心揺さぶるステキなダンスを披露してほしいですね。オッケー! バブリー!!
画像提供:一般社団法人ストリートダンス協会(日本高校ダンス部選手権)
(Kikka)
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