「とんでもございません」は間違った日本語か?

結局どっち?

» 2017年09月08日 10時00分 公開
[QuizKnockねとらぼ]

 「さっきのプレゼン、良かったよ」

advertisement

 普段は厳しい上司からの、突然の褒め言葉。新入社員のあなたは、慌ててこう返します。

 「と、とんでもございません!」

 さて、この「とんでもございません」。書店に並ぶマナー本などには、「間違った敬語」の例として載っているのをよく見かけます。では、一体どこがいけないのでしょうか?

文法が間違っている

 そもそも「とんでもございません」とは、「思いもかけない、意外である、まったくそうではない」等の意味がある「『とんでもない』という形容詞の丁寧語」です。

 丁寧語とは、敬語の中でも、物事を丁寧に言うためのものです。例えば今も使っている「です」や「ます」などが当てはまります。ここでは、「ない」を丁寧に言い換えて「ございません」としている、ということです。

advertisement

 しかし、「とんでもない」は一語の形容詞であり、「とんでも」と「ない」に分解することはできません。これは、「みっともない」などと同じ形だと考えると納得できることでしょう。

 つまり、「とんでもない」を丁寧に言っても「とんでもございません」には、文法上なり得ないということです。そのため、ちまたでは「間違った敬語」だとされているのです。

とはいえ広まっている

 では「とんでもございません」を使ってはいけないか、といえばそんなことはありません。

 なぜかといえばズバリ、実際にひろく使われてしまっているから、です。

 文部科学省の下部組織「文化審議会」が平成19年(2007年)に発表した「敬語の指針」でも、「現在では,こうした状況で使うことは問題がないと考えられる」と書かれているように、「とんでもございません」は国のお墨付きなのです。


「敬語の指針」より

 しかし、だからと言って「とんでもございません」を使うと、日本語の使い方に厳しい人たちから「間違った文法だ!」と指摘されてしまう可能性もあります。こうした事態を避けたいのであれば、「とんでもないです」などの表現を使うようにした方が無難でしょう。


制作協力

QuizKnock

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/25/news076.jpg 30年以上前の製品がかっこいい ソニーの小型ラジオのデザインが「すごい好き」「いまでも通用しそう」
  2. /nl/articles/2502/28/news013.jpg 高3女子「進学を機にイメチェンしたい」→美容師に依頼すると…… 仕上がりが「すげえええ」「鳥肌立ちました」と1000万再生
  3. /nl/articles/2503/01/news039.jpg 45万で家を買ったら中がまさかの…… “テーマーパーク”と化した物件に謎の金庫→こじ開けた結果に「こういうのワクワクします」
  4. /nl/articles/2503/02/news022.jpg 白髪に“真っ青に染まるトリートメント”を塗って流してみたら…… 予想外の結果に「驚きました」「良い!」
  5. /nl/articles/2503/01/news055.jpg 仕事を辞めて最初の依頼 手描きでドットを塗りつぶす作業に「完成絵見てビビりました」「これはカワイイ! 」 → 仕上がりに感動
  6. /nl/articles/2503/02/news043.jpg 食べ終えた干し柿の種は捨てないで! 取り出して5年間育てると…… 信じられない現在に「スゴい!!」「感動しますね」
  7. /nl/articles/2503/01/news004.jpg 「尊敬するばかりです」 1人暮らしの80代おばあちゃんが作る“常備菜”がすごい! 食卓がパッと華やかになり「挑戦してみたい」
  8. /nl/articles/2503/02/news018.jpg 「そうはならんやろ」 ホンダの「H」のエンブレムを買ったら…… “まさかの事態”が270万表示 「ディーラーを開店できそうですね」
  9. /nl/articles/2503/01/news044.jpg 【かぎ針編み】100均毛糸で作ったパーツを重ねていくと…… 贈り物にぴったりなアイテムが完成 「素敵」「頑張って作るぞ~」
  10. /nl/articles/2503/01/news038.jpg 「B級品、ダメだ」と言われたハリネズミ→愛情たっぷり姉弟がお迎えしたら…… 「泣けてくる」「むしろ極上品」驚きの姿が話題
先週の総合アクセスTOP10
  1. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  2. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  3. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に
  4. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  5. 余った毛糸は捨てないで! 四角く編んでいくと……目からウロコのアイデアに「知れてよかった」「素晴らしい」
  6. コストコで販売「生カキ」原因で体調不良か…… 全国で1万食自主回収「深くお詫び」
  7. ごはん炊き忘れた父「いいこと閃いた!」→完成した弁当に爆笑「アンタすげぇよ!」 息子「意味ねぇことすんなよ」
  8. 瀬戸内海で漁をしていたら突然異変が…… 揚がってきた“取ってはいけない生物”に衝撃 「初めて見ました」と70万再生
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 温かそうだけど…… 呉服屋さんが教える「マフラーの巻き方」になぜか既視感 「あの巻き方ってこうやってたの!?」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に