国税庁公式Twitterアカウントによる「今年分の確定申告から、医療費控除を受けるためには領収書の代わりに『医療費控除の明細書』が必要」というツイートに、「9月に入ってから言われても困る」「もう領収書以外は捨ててしまった」と戸惑いの声が現れています。
しかし、同庁に話を伺ったところ、「むしろ、医療費控除の申告がしやすくなる」とのこと。いったい、どういうことなんでしょうか。
今回の告知内容を分かりやすくまとめると、
- これまでは病院などの領収書を個別に提出する必要があった
- 今後はそれらが不要になり、代わりに「支払った医療費について記載した書類」(=自分で用意する「明細書」)を1枚提出するだけでよくなる
- 運用を完全に切り替えるのは2020年分の確定申告から。それまでは従来通りのやり方でもよい(旧方式と新方式のどちらでもよい)
ということになります。Twitter上では「(医療機関が発行する)診察明細書などを提出する必要がある」と誤解した人もいるようですが、そういうことではありません。
詳しい説明
国税庁は2017年4月、所得税に関する法令についてまとめた資料の中で、確定申告で医療費控除を受ける際、「医療費控除の明細書」の添付を義務化する改正があったことを告知しました。この「医療費控除の明細書」は、病院などが発行するものではなく、申告者自身が用意するもの。同庁Webサイトの「確定申告書等作成コーナー」から作成することができます。
また、これに合わせて、確定申告を書面の提出により行う場合に義務化されていた病院などの領収書提出が不要に。ただし、自宅で5年間保存する必要があるので、捨てないようにしましょう。
国税庁によれば、「これまで医療費控除を行なう方の中には領収書が多いせいで、提出書類が厚くなってしまう人がいた。しかし、今後は紙1枚で済むようになる。以前から類似の書類を提出していた方もおり、その場合は領収書を添付する手間が省けるようなイメージ」とのこと。
ちなみに、医療費通知書(健康保険組合などから発行される「医療費のお知らせ」など)を添付することで、「医療費控除の明細書」の記入を省くことも可能。さらに楽になりそうです。
医療費控除がこのような仕組みに完全に切り替わるのは、2020年分の確定申告から。それまでの数年間は経過措置期間とされており、従来の申告方法、新しい申告方法ともに利用できます。
(マッハ・キショ松)
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