VR(仮想現実)ブームの火付け役となった米Oculus VRの創業者パルマー・ラッキーさんが、東京ゲームショウなどの視察で来日し、9月21日にVRイベント運営団体AVRSが歓迎パーティーを開催しました。会場には「Re:ゼロから始める異世界生活」に登場する「レム」のコスプレをしたラッキーさんが……!
会場となった都内のプール付きペントハウスにはVR業界関係者など約80人が集まり、その一角にはVR作品を20点ほど展示したコーナーも。ラッキーさんによるパネルディスカッションも行われ、その中ではVRゴーグル「HTC Vive」を手掛ける台湾HTCに関する話題も出ました。HTCはこの日、スマホ事業の一部をGoogleに売却することを発表(関連記事)、その後の動向を懸念する参加者から質問が寄せられました。
2017年3月のOculus VR退社後、ラッキーさんは苦境に立ったVR関係の企業に投資するなど、VR業界自体のスポンサーや調整役として活動しています。以前にフランスのVR企業が閉鎖を発表した後、彼の支援で閉鎖がなくなったこともあります。こうした背景から、業績が悪化したHTCをラッキーさんが買収するのではないかとのうわさがありましたが、彼は「HTC(の残りの部分)を買収するつもりはない」と否定しました。
また、今回のゲームショウでラッキーさんはHTC Viveのセッションに参加。そのことから「OculusよりもHTC Viveのほうを応援しているのはなぜか」との質問も。これには「特にHTC Viveだけを応援しているわけではなく、全てのVRゴーグルを応援している。ただ、今はHTCが非常によく活動しているから」と答えていました。
パネルディスカッションでは、東京にVR関係の研究所開設を検討していることも明かしたラッキーさん。「いい場所や情報があれば連絡してほしい」との発言も飛び出しました。
ラッキーさんがこのように日本や東京に肩入れする理由は、彼が日本のアニメ、特に「ソードアート・オンライン(SAO)」が好きなこと、同作に出てくるヘッドセット「ナーヴギア」に触発されてOculus Riftを開発したことにあります。SAOをラッキーさんに勧めたのは、パーティーでレムの双子の姉妹「ラム」に扮(ふん)していた8年越しのガールフレンド、ニコルさん。彼女こそが、停滞していたVR開発をここまでのブームにした「VRの母」とも呼べる存在だったのです。
(松岡洋)
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一部のVRゲームデベロッパーがOculusのサポートをやめると宣言する騒ぎになっていました。