中国の漢字で、最も複雑だと言われる漢字の一つを筆で書き上げるまでの動画がTwitterで話題になっています。一回見ただけでは覚えられない長さ……。
動画ではまず「穴かんむり」が書かれたところからスタートし、その下に「言」と左右に「いとがしら(糸の上部分)」がきて、さらにその下に「馬」の文字が。ここまでならまだ日常的に書けそうですが、次はその「馬」を挟むように「長」が左右に書かれます。
と、ここで筆が画面から消えて終わりだと思いきや、左側に縦長の「月」と右側に「かたな(カタカナの“リ”に似た部首)」が置かれて、面積でいうと結構な大きさに。これで今度こそ1つの完成形になったと思いきや……?
そこからさらにその下に「心」が書かれ、再び筆がフェードアウト。これは確かに複雑だなあ……と眺めていると、まさかの左に点を置いたと思ったら「しんにょう」が追加されるというオチのようなラストが待っていました。詰め込みすぎた感がすごい。
ちなみにできあがった漢字は「ビィアン」と読み、中国の麺料理「ビャンビャン麺」を漢字で書く場合に使われる漢字とのことです。
投稿したのは、世界中で書道パフォーマンスを行っている書道家・墨象アーティストの青柳美扇(あおやぎ びせん)さん(@aoyagibisen)。これまでアジア最大級の広州モーターショーでマツダのパフォーマーとして選ばれ公演を実施したり、その他JAPANEXPOなどにも多数出演。海外のファンも多く、文字以外でも墨の抽象画「BOKUSYOart」で展示会を開いたり、さまざまなメーカー等とのコラボやデザインも行ったりしています。
動画では迷いが一切感じられない美しい筆の運びを披露していて、Twitterでは漢字への「まだ続くのかよ」「いつ書き終わるんだよ」といったツッコミの他に「美しい」「なんですかこの字の上手さ!」と、別の意味で驚く声も上がる反響となっています。そして、そんなスムーズに書いても1分以上かかっているという事実に改めてビックリ……!
美扇さんのこれまでの作品等は公式サイトで、またInstagramでは今回のような書道動画も投稿されていて見ることができます。ちなみに今回使用されている筆は「美扇筆ー半紙用ー」で、こちらはBISEN ART GALLERYで販売されています。
画像提供:@aoyagibisenさん
(宮原れい)
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