IDやパスワードでのログインが必要なWebサービスの利用者を対象にアンケートを実施。パスワードを使いまわしている利用者が8割以上なのが分かった。
トレンドマイクロがパスワードの利用や管理の実態を調べる「パスワードの利用実態調査 2017」(515人対象)によると、複数のWebサービスでパスワードを使いまわしているユーザーが85.2%いることが判明した。これは前回(2014年)の調査時の93.1%よりは下回ったものの、相変わらずリスクの高い利用状況。使いまわすパスワードの数に関して、2014年には「2〜3種類を使いまわす」が56.4%だったのに対し、今回の調査では41.4%と15ポイント減少している。
パスワードを使いまわす理由について利用者は「異なるパスワードを設定すると忘れてしまう」「異なるパスワードを考えるのが面倒」と回答。パスワードの管理方法についても「手帳やノートにメモする」が最も多く(44.7%)、次いで、「書いたり、保存せずに覚えておく」(26.4%)が多い結果となった。
調査では、Webサービスのアカウント乗っ取りや不正アクセスの被害にあうことに70%以上の利用者が不安を抱いていることも分かっている。複数のWebサービスに同じIDとパスワードを使いまわすユーザーを標的に不正ログインを行う「アカウントリスト攻撃」の対策には、Webサービスごとに異なるパスワードを設定することや、安易なパスワードを設定しないことが求められており、トレンドマイクロでは複数のパスワードを自動的に生成する機能や、1つのマスターパスワードで複数のID/パスワードを管理できる機能をもつパスワード管理ツールなどの活用が有効な対策だと訴えている。
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