10月31日のハロウィーンで、多数人が集まった渋谷区の「ごみのポイ捨て問題」が指摘されています。翌11月1日にはごみであふれた渋谷の街の様子がTwitterなどネット上に多数投稿され、「地下鉄サリン事件で撤去されて以来街のごみ箱が足りない」とするツイートが広く拡散されました。
「昔はもっとごみ箱があった」という意見はよく耳にしますが、実際どうなのか。渋谷区に話を聞いてみました。
路上のごみ箱はもともとない
まずは環境保全課に話を聞いてみたところ、今回人が多く集まった「路上」にはもともとごみ箱は設置されていなかったということです。街中のごみ箱といえば、水と公園課が管理する公園内のごみ箱のみ。コンビニなどの店舗前に置かれているごみ箱の設置位置などは、各店舗の判断によるものとのこと。
また、渋谷区では「ハロウィーンごみゼロ大作戦 in 渋谷 2017」に協力しており、当日は臨時のごみ捨て場を設置したり、ごみ拾いのボランティアにトングや軍手といった道具の貸し出しもしました。
少なくともハロウィーン当日は、街中にごみを捨てられる場所があったということになります。
地下鉄サリン事件でごみ箱が減ったのは事実だが……
続いて、公園を管理する水と公園課に、公園のごみ箱について話を聞いてみました。
同課によると、指摘されていた通り1995年に発生した地下鉄サリン事件をきっかけにごみ箱の数が減ったのは事実ですが、今はそれよりも家庭ごみの持ち込みの方が問題になっているとのこと。
家庭ごみが持ち込まれごみ箱があふれていると不法投棄も発生しやすくなるため、住民から苦情が入ることがあるそうです。結果、ごみ箱を設置しない方がきれいな状態になり、撤去する場合があるとのこと。
そのため渋谷区全体でのごみ箱の数は、減少傾向にあります。ごみ箱がない場所については、基本的にごみは持ち帰ってもらいたいとしていました。
また、公園のごみ箱が減ることでハロウィーンでごみがあふれたのではないかという意見については、今回人が主に集まったのは公園ではなく路上であることと、公園のごみ箱では小さ過ぎることから、少し増えたところで状況は変わらないのでは、とのこと。人が多数集まるイベントでのごみ回収は、主催者がごみ捨て場を設置するのが基本としています。
でもやっぱりごみ箱はほしい
ただし、ネット上では「ごみ箱が少なくて不便」という意見もあがっていました。水と公園課によると、マナーよく利用されている場所のごみ箱は設置され続けているとのことで、今後ごみ箱の設置数が増えることに期待する声もあります。
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