ありがとう三江線……記念の「江津−三次駅間 35駅入場券セット」12月10日発売
1つは使用、もう1つは保存用、残り1つは布教用。あ、もう使えないかもと思うと、あれれ涙腺が……。
西日本旅客鉄道(JR西日本)米子支社が、2018年3月31日で運行を終了するJR三江線の記念きっぷ「ありがとう三江線記念入場券セット」を12月10日から販売を開始します。
JR三江線は、島根県江津市の江津駅から広島県三次市の三次駅を江の川に沿って結ぶ路線距離約108キロの路線。2015年に全通40周年を記念した公募によって「江の川鉄道」の愛称でも親しまれています。2016年9月、JR西日本は「利用者の減少と地域ニーズに合わない」ことを理由に路線の廃止を決定しました(関連記事)。
ありがとう三江線記念入場券セットは、三江線35駅の入場券(硬券B型)35枚を台紙付きで販売する記念きっぷです。価格は1セット4900円(税込)で8000部限定。販売は、12月10日からJR江津駅、JR浜田駅、JR三木駅のみどりの窓口にて(1人当たり10セットまで)。完売時点で販売終了となるそうです。利用可能期間は、当たり前ですが2018年3月31日までとなります。
三江線は、昭和後期に海水浴客向けの快速列車「波子ビーチ」が、1992年には臨時快速としてC56型蒸気機関車による「SL江の川」が運行されたこともありました。
また、三江線の中ほどにある宇都井(うづい)駅(島根県邑智郡邑南町)は、無人駅ながらホームと待合室が地上から20メートルの高さにある珍しい仕様と、駅を利用するおばあちゃんによる「感動の駅ノート」があることで知られ、テレビ番組などでも「天空の駅」などしてたびたび取り上げられる名所です。高くそびえる橋脚のような階段棟にエレベーターやエスカレーターなどはなく、116段の階段を上ってようやくホームにたどり着きます。この魅力ある駅を利用できるのもあとわずかです。
しかし、1つ朗報もあります。仮想空間(VR)上に原寸大の鉄道を再現する「VR鉄道建設プロジェクト」(関連記事)で、20万円の支援である「希望の駅を3Dモデルで制作」が入ったことから、宇都井駅が制作されるようです。実現に期待です。
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