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石けんを使わず1年半“湯シャン”だけで過ごしたおっさんの「匂いを嗅げる権」を買ってみた

筆者の体臭とどっちが気になるか、実際に嗅ぎ比べてもらいました。

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 おっさん(40歳)が1年半ものあいだ、シャンプーや石けんを一切使わず、お湯のみで身体を洗って過ごしたら……。そんなおっさんの「匂いを嗅げる権」が、デイリーポータルZ主催の「第2回ウェブメディアびっくりセール」で売りに出されていた。出品者は、フリーライターの大住有さん(@oosumiyuu)だ。


湯シャン 大住有 「匂いを嗅げる権」を販売していた大住有さん

 大住さんは、自称・電子の妖精。Webメディア「探偵ファイル」の元編集長で、「貞操帯をつけたまま飛行機に乗ろうとしたらどうなるか?」など、ギリギリのラインを攻めることで知られるライターだ。筆者はかつて、大住さんと机を並べていたことがあるが、笑顔の裏にふつうなら絶対に越えない一線を平気で踏み越えそうな危うさをたたえる人だな……という印象が強い。

 1年半、ノー石けんで過ごした大住さんの身体は、いったいどんな匂いがするのだろうか。「匂いをかげる権」は500円で売られているものの、個人的にそこまでかぎたいとも思わない。そこで権利だけを購入し、たまたま通りがかった女性・だっぽくみんさん(25歳)に、筆者と大住さんの体臭をかぎ比べしてもらった。くしくも筆者と大住さんは同じ年齢である。


湯シャン 大住有 大住さんの匂いを嗅ぐだっぽくみんさん


加齢臭に敏感な若い女性の判定は……!?

―― 朝、シャワーを浴びてきたばかりの私と、1年半ノー石けんで過ごした大住さん、どっちの体臭がキツいですか?

だっぽくみんさん:うーん……。どちらも、それなりの臭いがすると言いますか……。


湯シャン 大住有 筆者の匂いも嗅いでもらった

―― 遠慮はいりません。正直、朝起きたとき、枕にどっちの臭いがついていたらイヤですか?

だっぽくみんさん:そっ(と筆者を指す)。

―― まじで!?

大住さん:僕も今朝シャワー浴びてきたんです。今日は会場に丸1日立ちっぱなしなので、さすがに後半はキツくなるんじゃないかと思って。

だっぽくみんさん:あ、大住さんは昨夜シャワーしたと思ってました。だったら、かなりわずかな差ですね。結果、どっちもおっさんです。

―― よかった……。

だっぽくみんさん:ちなみに、大住さんの身体は、人んちの臭いがしました。


湯シャン 大住有 人んちの臭いがしたらしい

―― 大住さんの挑戦をどう思いますか?

だっぽくみんさん:女性だと、化粧水すら使わない「肌断食」というのがあるんですが、それに近いかもしれないですね。

―― 肌断食……、まったく知らない世界がまたここに……。



「なんかムカついたから」始めたノー石けん生活

―― 大住さんは、なぜ、こんなことを始めようと思ったのですか?

大住さん:もともと乾燥肌で、肌が弱いんです。30歳代後半にさしかかったころから、シャンプーすると顔がちくちくと痛むようになりまして。それと並行して、皮脂が増えてきた感覚があったんです。それでネットで調べたら、シャンプーや石けんの洗浄力は人間には強すぎるという説があって、石けんやシャンプーを使わず、お湯だけで身体を洗っているう人たちがいるらしい。でも、そういうのを紹介するサイトは、ほとんどがアフィリエイトサイトで、信ぴょう性が分からない。それでなんかムカついたので、自分でやってみました」

―― この1年半、誰かに体臭を指摘されたことはありますか?

大住さん:それが、ないんです。

―― みんな、陰で悪口言ってたかも知れませんよ。大住さん、圧がすごいから、面と向かって言えなかっただけで。

大住さん:それも考えて、今回このイベントに出るにあたって、「実はずっとノー石けんできたんだけど、クサいと思ってた?」と同僚や友人に聞いてまわりました。でも、クサいと思っていたと答えた人は1人もいませんでした。

―― 自分自身でも体臭が気にならないものですか?

大住さん:牛肉を食べたり酒を飲んだりした日の翌朝は「あっ……」と思いますが、ふだんは気にならないですね。

―― 実際、簡単に始められるものなんでしょうか?

大住さん:最初の1週間はキツいです。身体から脂がよけいに出ている感じがして、不快です。それが2〜3週間すると少しずつ慣れてきて、2カ月くらいたったらもう余裕です。

―― 1年半、本当にまったくノー石けんだったですか?

大住さん::実は、厳密にはちょっと違っていて、美容院で髪を切ると自動的にシャンプーされちゃうんで、そこはカウントしていません。いったんノー石けん生活に入ると、1度くらいシャンプーされても、またすぐノー石けん生活に戻れるようになります。

―― 会場での反応はどうですか?

大住さん:僕のブースには、ほとんど来ないんですよね、お客さんが。

―― 価格設定が強気すぎると思います。


湯シャン 大住有 ブースの様子。怪しさがすごい

大住さん:でも、さっき若い男性が前を通り過ぎるとき「実は僕もやってるんです」とこっそり教えてくれて、なんかうれしかったです。

―― これからもノー石けん生活を続けるつもりですか?

大住さん:いや、もう自分のなかで「ノー石けんで暮らしたらどうなるか」という答えが出て納得いったんで、やめるつもりです。今夜から3日に1度くらいのペースでシャンプーをして、慣らしていこうと思ってます。

―― そういうこだわりのないところが、大住さんらしい!





 なお、この日大住さんのブースで「匂いをかげる権」を購入した人は、筆者を含め17人いたという。


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