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世界最強の囲碁AI「AlphaGo Zero」を開発したDeepMind(Google関連会社)が、チェスと将棋のAIに関する論文を発表しました。AlphaGo Zeroと同様の手法を使い、24時間で既存の最強AIを超える実力に至ったとのこと。
AlphaGoは2017年5月、世界トップ棋士である中国の柯潔(かけつ)九段に3戦全勝した囲碁AI。もともと人間同士の棋譜(対局データ)を学習させていましたが、進化したAlphaGo Zeroでは人間の棋譜を用いず、AIによる自己対戦のみで強くする「強化学習」が用いられました。
今回の論文では、AlphaGo Zeroで用いられた手法を「AlphaZero」という名称で一般化し、チェスと将棋にも適用。24時間の学習の結果、チェスでは既存の最強AIとして知られる「Stockfish」相手に100戦して28勝0敗72引き分け、将棋でも同じく最強AIである「elmo」相手に90勝8敗2引き分けという戦績を残しました。
DeepMindが発表した論文「Mastering Chess and Shogi by Self-Play with a General Reinforcement Learning Algorithm」より
チェス、将棋、囲碁の各ゲームでは、既にAIが人間のトップ棋士を大きく上回る実力を備えていることが知られていますが、AlphaZeroが短時間で既存AIをさらに超えた実力に至ったことについて、驚きの声が広がっています。
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