“1000回遊べるRPG”を4000回遊んだ男 「SFCトルネコの大冒険」に挑み続けるプレイヤーが語る「不思議のダンジョンには、まだ不思議がある」(3/5 ページ)
求道者のごとく追い求める「トルネコ」の理論的限界。
アイテム強化目的でダンジョンに入るついでに、ゲーム内の現象に関するデータを収集して、統計的な分析もしていました。ゲーム内のダメージ計算を独自に解析して「ダメージ計算シミュレータ」を作ったり、各モンスターを1000回ずつ倒して、アイテム所持率を調べたり。
―― 「最高値で売れるアイテムは、銅の剣−11(65534ゴールド)」なんてまったく知りませんでした。当時の攻略本を読んでも、知っていることしか書かれていないのでは?
公式ガイドブックは、ちからの指輪の価格など一部に誤植があります(即答)。
―― ……攻略本よりも上の次元にいましたか。
発売から12年後に始まった「トルネコ日記」
―― 「トルネコ日記」をつけはじめたきっかけは?
昔、友人が「このゲームは面白いけど、運要素が強すぎる」と話しているのを聞いて、疑問を抱いたんです。「確かに不確定なところはあるけど、自分は『もっと不思議のダンジョン』を9割くらいクリアできているような気がするし、プレイヤーの腕の方が大事なのでは?」って。
紙に記録して、正確な自分のクリア率を調べてみたところ、50回ダンジョンに潜って約20勝。「最近やっていなかったから、本調子が出なかったのかな」ともう50回やってみたら、また20勝台。さらに50回挑戦しても20勝台。「クリア率9割」という体感と、本当の実力に大きな開きがあることが分かりました。
この出来事をきっかけに、2005年ごろからクリア率アップを目指して「トルネコ日記」をつけるようになりました。Web上に公開していますが、自分用の記録として使っていて、空き時間などに読み返しています。
―― 「もっと不思議のダンジョン」のクリア率はどう推移していますか?
日記を書き始めたころは5割程度でしたが、2010年からクリア率が9割に到達するようになりました。かつて思い込んでいた「自分の実力」の水準ですね。
―― 秋川さんはどんなプレイスタイルなんですか?
私はアドリブ力が弱いので、完全な事前準備型です。今も「トルネコ」をプレイしている方の中には、RTA(リアルタイムアタック)に挑戦している人もいますが、私は苦手ですね。どちらかといえば、慎重に進めていきたいタイプで、経験を積めば誰でもできるような方法論を確立することを目指しています。
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