JAXAによると、一般的に宇宙空間とされるのは、大気がほとんどなくなる高度100キロから先の世界。「紙を○○回折ると、宇宙に届く」という話は時折耳にしますが、本当にそんな途方もない厚さになるのでしょうか。
実際にチャレンジするのは難しそうなので、物理エンジンを使った検証動画で確かめてみましょう。
紙を何回折ったら宇宙に到達するのか?
今回は、一般的なコピー用紙と同じ厚さ(0.09ミリ)で、1辺が100メートルある架空の紙2枚を使ってシミュレーションします。厚みに加え、1辺の長さの変化も分かるように、この紙にはそれぞれ異なる特徴が。白い方には「折ると面積が半分になる」という現実に近い性質がありますが、黒い方は「いくら折っても面積が変わらない」という不思議な紙になっています。
紙の厚さは0.09ミリ、0.18、0.36……と折るたびに2倍に。10回目ではまだ約9.2センチしかありませんが、さらに4回折ると約1.47メートルまで跳ね上がります。
20回目に達すると厚さは約94メートルになり、1辺の長さは10センチ以下に。「この紙、どうやって折るんだろう」という疑問をこらえて、さらに数回頑張ると、世界一高い建造物「ブルジェ・ハリファ」をぶっちぎりで上回る紙のタワーが完成します。ちなみに、このタワーは細過ぎるため、動画だとほとんど見えません。
- 22回目(約377メートル):エッフェル塔(約300メートル)を越える
- 23回目(約755メートル):スカイツリー(634メートル)を越える
- 24回目(約1510メートル):ブルジェ・ハリファ(828メートル)を越える
数十回折ると、すさまじい紙の厚さになることは分かりました。では、宇宙に着くのは何回目なのでしょうか。
30回折った時点の厚さは約97キロで、宇宙空間の3キロ手前。到達するためにはもう1回折って、厚さを約193キロにする必要があります。
ちなみに、地球の約38万キロ先にある月に届くのは42回目。このときの紙の厚さは約40万キロで、1辺の長さは10分の1ミリ以下しかありません。「月に刺さるくらい高いのに、目の前にあってもよく見えない極細タワーが立っている」ような状態です。……無理だこれ(確信)。
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