台上の球を巧みに衝突させ、ポケット(台の端にある穴)に落下させるなどして競うビリヤード。もしも摩擦力が存在しない世界でプレイしたら、どうなるのでしょうか。
どんなに下手な人でも、必ず全ての球がポケットに入るようになるのかな……? この条件を実際に作り出すのは難しいので、物理エンジンを使った検証動画で確かめてみましょう。
摩擦がなければビリヤードは一発で全て入るのか?
シミュレーションするビリヤード台、球は、サイズや重量を現実のものと同様に設定。しかし、台上は摩擦も空気抵抗も起こらない世界で、衝突時の運動エネルギーの損失もありません。球の動きを止めようとするさまざまな条件が排除されており、「一度突いたら、球が移動し続けるはず。特に狙わなくても、いつかポケットに入るのでは?」と期待できそうです。
白い手玉を突くと、三角に並んだ15個の球に衝突し、早くも数個がポトリ。しかし、それ以降は持久戦で、他の球や壁面に当たっては球の進行方向が変わり、また当たっては進行方向が変わり……の繰り返し。時折、運良くポケットに落下していきます。
しばらく待っていると、球数はじわじわと減少。ですが、最後の1球が壁面に対して垂直に衝突して、ずっと同じ場所を移動しています。ぐぬぬ、無限ループか……。
検証1回目
手玉の速度や突く角度を変えて、さらに2度チャレンジしてみたところ、1回は全て落下。しかし、もう1回は再び「最後の1球が同じ場所を動き続ける手詰まり」に陥ってしまいました。
この現象に対し、コメント欄では「シミュレーションの計算に近似値が使用されており、ルートが循環するパターンが起こりやすいのではないか」との指摘が。今回の例で言えば、球が壁面に対してぴったり90度に衝突する可能性は、実際には極めて低く、多少のズレが出るはずです。そうすると少しずつ軌道が変わりパターンから外れてしまうため、全球ポケットに入る確率はほぼ100%だろうというわけです。
なお、その場合、手玉も一緒に落ちることになりますが、これはスクラッチという反則行為。現実世界にこのビリヤード設備があったら、おそらく「どんな初心者でも、上級者同様にプレイできる魔法のビリヤード台(ただし、勝てるとは言っていない)」という感じになりそうです。……何かすごいけど、あまり楽しくなさそうだなあ。
2回目
3回目
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