引越し料金には定価がないといわれ、荷物の量や距離はもちろん、時期や状況、業者によっても金額が大きく変わります。予想以上にお金がかかってしまう場合も多いので、料金に影響するポイントを把握して、節約できるところがないか確認してみましょう。
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引越し時期、時間帯
引越しの繁忙期と閑散期では基本料金が変わり、値下げ交渉のしやすさも異なります。反対に、異動や入学などのシーズンは料金が高くなり、値下げも難しくなります。
繁忙期の料金
入学前後の2月〜4月、ゴールデンウイーク、7月下旬〜8月の夏休み期間は料金が上がりやすい繁忙期です。
特に3月は需要が多く、引越し業者も短期アルバイトなどのスタッフを雇って対応しています。一番の稼ぎ時で、値下げ交渉が難しい時期といえるでしょう。
予約対応も間に合わないくらい忙しいときには「値下げできません」とハッキリ言われてしまうことも。繁忙期の引越しで費用を抑えたい場合は、年明けなど早い段階で交渉するのがおすすめです。また、週末よりも平日の料金の方が安い傾向があるので、曜日にも注意しましょう。
閑散期の料金
1月、6月、夏休み前、11月は、人の動きが少ない閑散期にあたります。距離や業者にもよりますが、繁忙期と閑散期では、2〜3万円もの差が出ることも。
値下げ交渉がしやすくなる背景には、引越し業者の人員体制があります。人件費と売上のバランスを考えると、当然ながら繁忙期にはたくさんのスタッフを動員し、閑散期は少ない人数で対応するのが理想。ですが、そうするとスタッフのほとんどが短期アルバイトになってしまい、作業品質の管理が難しくなってしまいます。
サービスの質を重視する業者は、常に品質の高いサービスを提供できるよう、一定数の社員を抱えています。そのため、閑散期にはどうしても人が余ってしまい、少しでも件数を獲得するため、料金交渉に応じてくれる確率が高くなるのです。
<※※注意※※>
一概に短期アルバイトの作業品質は低いとはいえませんが、経験豊富で社員教育を受けているスタッフの方が高い品質を期待できます。アルバイトスタッフが比較的多い繁忙期に引越しする場合は、サービス内容や評判もしっかり調べておくとよいでしょう。
引越す時間帯
時間帯も、引越し料金に関係します。「午前中の早い時間から引越し作業を始めて、午後新居で荷解きをしたい」と考える人が多いため、午前中がもっとも高く、時間帯が遅くなるにつれて金額が下がります。
階段・道幅
現在の住まい、引越し先が戸建てなのかマンションなのか、トラックを停められるスペースがあるかどうかは、見積もりの段階で必ず聞かれるポイントです。エレベーターの有無でもかかる労力や時間が変わり、料金に影響します。
階数
まずは、引越し元・引越し先の階数。「1階への引越し」「2階以上への引越し」では、2階以上の方が大変です。さらに、エレベーターがない場合は、スタッフが自力で荷物の上げ下ろしをしなければならないので、その分、作業時間が長くなり費用がかさみます。
階数の違いによる料金の相場は、大体次の通りです。
- エレベーターありの場合:1階上がるごとに+500円〜1000円
- エレベーターなしの場合:1階上がるごとに+1000円〜3500円
例えば、エレベーターありの3階から、エレベーターなしの4階に引越す場合、料金はいくらプラスになるでしょうか。上の相場に従うと「(500円×3階)+(1000円×4階)」で計算でき、5500円費用が増す計算になります。
また、一戸建てや集合住宅の1階であっても、玄関ポーチに階段がある場合、引越し料金が変わる場合があります。階段があると、その分作業時間が増えるためです。ただし、これは業者によって異なる場合があるので、見積もりをお願いするときに確認してみましょう。
道幅
家の前の道幅や、トラックを駐車できるかどうかも料金に影響します。乗用車がすれ違えないほど道幅が狭かったり、交通量が多い、駐停車禁止といった理由でトラックが停められなかったりする場合が該当します。
トラックを家の前に駐車できないと遠くに停めなければならず、そこから荷物を運ぶことになります。そうすると、作業時間が増してしまうのです。
荷物の量
荷物の量はダンボールの個数や、家具の大きさ、数がポイントになります。当然、ダンボールの個数が多く、重くて大きい家具の数があると、料金は高くなってしまいます。運ぶ物の種類や個数に合わせて、作業人数を増やす必要があるためです。
あらかじめ、どのくらいの量までなら追加料金なしで対応してもらえるのか確認しておきましょう。
※単身パックなどの引越しパッケージは、運べる量の上限や条件を確認しましょう。
実質的な荷物の重量ではなく、ダンボール◯個という見た目の量の違いで料金は変わっていきます。少しでも安くするため、できるだけ隙間なく物を詰め、ダンボールの個数を減らしましょう。ただし、本や食器などの重い物は、小さめのダンボールに入れるなど工夫してください。
また、引越しを機に持ち物を整理し不用品を処分するのもおすすめ。「今は使っていなけど、いつか……」と残しているだけの物は、今後も使う可能性は低いです。本当に必要な物以外を処分してしまうと料金が抑えられ、新居に移ってからの片付けも楽になります。
引越す地域により、ごみの処分方法やルールは異なります。引越し先でごみの処分に困ってしまわないよう、調べておきましょう。
移動距離
同じ都道府県内、近隣の都道府県への引越しと比べて、遠方への引越しは当然高くなります。
高速道路を使う場合は、その分の料金が引越し料金へ加算されます。引越し料金を安くするために、下道の利用をお願いすることも可能なようですが、その分作業時間が延長され追加料金がかかります。また、引越し業者が1日に数件対応している場合には、時間の都合で高速道路を利用せざるを得ない場合もあります。
このような場合は、長距離用のプランをうまく利用して引越し料金を抑えましょう。単身パックと同じように、長距離の場合も、業者によってさまざまなプランが用意されています。
<長距離プラン・パックの一例>
- コンテナ便:荷物を貨物列車で輸送
- 混載便:同じ方面へ引越す人の荷物をまとめて輸送
- チャーター便:トラックでの輸送のみ依頼(荷物の搬出入などは自身で対応する)
プランによってはかなり料金を抑えられますが、荷物が新居に届く日を指定できなかったり、運び出し・運び込みを全て自分でしなければならなかったりなど、プランによってデメリットもあります。時間に余裕がある、手伝ってくれる人がいるときは、自分の状況に合わせて選びましょう。
スタッフの作業量
どこまで引越し業者のスタッフに対応してもらうかという点も、金額を左右します。荷造りや荷解き、家具の設置などはオプションサービスとなり、追加料金がかかります。
全て自分で対応できれば料金は抑えられますが、エアコンの移設や洗濯機の設置、テレビの配線といった難しい作業も。手間や時間を考えて、何を依頼するサービスを選びましょう。
引越し作業の前に、複数の業者で見積もりを
このように引越し料金が変わるポイントは複数あります。業者によってサービス内容や用意しているプランも異なるので、複数の業者を比較して納得のいくところを選びましょう。
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