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人類最期の日までの残り時間を象徴的に示す「世界終末時計」の針が過去最短となる“残り2分”になったことを、米科学誌『Bulletin of the Atomic Scientists』が発表しました。
世界終末時計は0時を人類滅亡の時とした、いわば終末への危機感を表す概念。核戦争の脅威について警告するために同誌が1947年にスタートして以来、世界情勢や気候の変動といった人類に影響する事象をもとに、終末までの残り時間を示す針を進めたり戻したりしてきました(関連記事)。
今回針が進んだ大きな理由は、朝鮮半島の危機に代表される核兵器問題。北朝鮮やパキスタン、インド、イランの核兵器開発や、米ロ間の緊張もあり、同誌は強い危機感を示しています。
地球温暖化問題も理由の1つ。気候そのものに大きな危険性は見えないものの、米国政府がパリ条約からの離脱を表明して以来、対策が停滞していることが懸念されています。
こうした要因から針は前年から30秒進められ“残り2分”に。これは冷戦時代の米ソが水爆実験に成功した1953年と同じ数値です。もっとも、冷戦が終結した1991年に残り17分となったように、針は後退することもあります。
同誌は「北朝鮮への挑発的な発言を控えるべき」とトランプ政権を批判したり、各国政府へ温暖化対策の推進を呼びかけたりと数々の提言をしたうえで、「人類は常識的な行動をとることで終末から遠ざかることができる」としています。
(沓澤真二)
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