21年前のワープロ「書院」で2018年にインターネットをしたら、無間地獄に突入した(3/3 ページ)
ネット機能を搭載した21年前のワープロで、2018年のネットの世界を見てみました。
SNSや動画サイトはどうなる?
そうしてつないでみたTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSですが、残念ながらどこもページは表示されず。「iPhoneから送信」ならぬ「ワープロから投稿」の夢はあっけなくついえました。
続いて、動画サイトにも挑戦。しかし当然のごとく、YouTubeのサイトには入れず、どうにか入れたニコニコ動画やGyao、Dailymotionのサイトでも、一向に動画ウィンドウが表示されません。仕方なく「書院で動画」の夢も諦めることに。良い響きなのに。
まともに表示されるサイトを発見!
どこかに正しく表示されるサイトはないのか……。ならば昔からあるテキストサイトはどうか? 試しに、当時人気があって今も存在する数少ないサイト「バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳」につないでみると……。
なんとばっちりと表示! 画像もテキストもきれいに読めています! やはりネット黎明期から制作されていたWebサイトとは相性が良いようです。
同じく、当時のテキストサイトの代名詞的存在でもあった「侍魂」につないでみると、こちらはTOP画像は出なかったものの、テキストはレイアウト崩れもなく、問題なく読むことができました。
読めるだけでうれしい、この気持ちはなんだ
最後に、当サイト「ねとらぼアンサー」に入ってみましょう。ちなみにねとらぼがオープンしたのが2011年4月。さらにアンサーができたのは2017年4月で、まだまだ新しいサイトです。
そんなサイトが、21年前のワープロで映せるのかどうか……その結果がこれです。
いけた……! 文字化けもせず、きちんと画像と文字が出ました。こんな身近なところに、21年前のワープロでもしっかり表示できるサイトがあるとは。明らかにレイアウトは崩れていますが、思わず感慨がこみ上げます。
記事を読もうとすると、やはり文字も画像も大きすぎてめちゃくちゃになっていますが、ここまで散々苦労してきただけあって、読める形で表示されるだけでもうれしくなってしまいます。
ワープロでインターネットをやってみてのまとめ
- やっぱりページの表示速度は遅い
- 多くのサイトは入ることすらできない
- 入れても、かなりの確率で文字化けする
- 画像が出ない場合も多い
- 動画サイトに入っても、動画ウィンドウが出ない
- Googleの通常検索と画像検索は使える
- しっかり表示できるのは、昔のテキストサイトなど、数少ないサイトのみ
一言で言うと「まともなブラウジングはできません」。しかし「21年前のワープロ」が今のサイトをどうにか表示しようとする姿が、けなげでいじらしく感じられます。さらに、たまにキレイに表示されたときは、妙にうれしい気持ちに浸れることも分かりました。
ワープロならではの文書作成機能が豊富だった
おまけとして、ネット機能だけでなくワープロらしい機能もいろいろと試してみました。辞書機能や表計算ソフト、ファクス、ハガキ・チラシ作成ソフトなど、当時の最新のソフトが並びます。中には、質問に答えていくだけで定型文で文書を自動生成してくれる「自動文書作成」という、いかにも未来的な名前の機能もありました。
さらに、当時はまだインターネットと並立して存在していた「パソコン通信」の機能も。NIFTY-Serveなどいろいろな通信先に接続でき、フォーラムごとにさまざまな情報交換ができるのが魅力でした。パソコン通信は既に2006年にサービスを終了しており使うことはできませんが、今でもデモ使用ができ、当時の雰囲気を味わえます。
ワープロの電源を入れれば、今の画一化されたPCのOSにはない、メーカー独自の世界観が広がります。PCではない、もう1つの選択肢が確かに存在していた時代。デジタル家電の青春期とでも言うべき時代の香りを、今回は思い切り感じ取ることができました。
(辰井裕紀)
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