さまざまな形、色、大きさなど、よく見ると1つ1つ違う個性を持つ「石」と向き合い、そこに見える形で生き物を描いたストーンアートが多くの人の心を動かしています。
作品をTwitterやInstagramで公開しているのはAkie Nakata(@akie2525)さん。「ミミズクの原石と出会えて、嬉しくて大事に制作しました」と投稿されたその作品は、どうみても息をしているとしか思えない、手の平の上にちょこんと乗ったおとなしそうなミミズク。小さくても生命を感じる強い眼差しがかっこよくも愛らしい……!
制作の過程で石の形を変えることは一切しないというAkieさん。実際の制作過程も公開していますが、石から何かを作っているというよりは、石そのものに宿っている声を聞いてそれを表現したような自然さで、一度目が合うと何か通じ合ったような感覚になるほど、そこに魂の存在を感じさせます。
作品ではルリツグミといった小鳥から、犬のゴールデンレトリバー、ハムスター、クサガメ、ラッコ、キツネ、ヘビなど、さまざまな石があるのと同様、描かれている動物たちもいろいろな種類が見られます。
Akieさんにお話を伺うと、きっかけは河原を散策中にうさぎにしか見えない石に出会ったこと。それを家に持ち帰り彩色したのが始まりで、“恵まれた年”と語る2017年には120を超える作品を制作しています。
製作にかかる時間は作品によって違うものの、石を探す時間や石に出会ってから中に感じた生き物の生態を調べたり、その資料を探す時間をあわせると数週間かかることが多いとAkieさん。また、なにより作品のイメージを石からもらって制作するため、例えばタコの作品の場合には「出会えたのは8年間で3つだけ」と、そもそも石との出会いがなければいくら時間があっても作られることがなかった生き物の作品も。
Akieさんはこの“石の中に生き物を感じる感覚”を大事にしていて、「石を手に取るまえに、その石にパッと目がいって、もう生き物がそこにいるように見えます」と、作品が生まれるはじまりの瞬間について話しています。
これは一度Akieさんの作品を見てから元の描く前の石を見ると共感できるもので、1つ世界の見え方を教えてもらったような気持ちに。それぞれの石の形や立体感が、そのまま生きた動物として浮かび上がってくる神秘的な感覚に感動を覚えます。
ちなみに石と出会う場所については、いくつかお気に入りの河原など決まった場所があり、石を探すかたわらゴミがあればゴミ拾いも同時に行って「心地よいと思う場所であることを大切にしている」とのこと。
「遥か昔には一枚の大岩だったかもしれない石が、自分と出会った時に掌に収まる大きさ、生き物を感じる形になっていることの奇跡に筆を入れて、中に感じた命を息吹かせるようなコラボワークを続けていきたいです」と話すAkieさん。自然と人間とのまさに合作アートといえる同作品のかわいらしくも神聖な雰囲気は、そんなAkieさんの込められた思いから生まれているようでした。
Twitterでは「すごすぎる」「素晴らしい」とその見事な作品を称賛する声が多く寄せられ、また生き生きと描かれた動物たちに「かわいい」「ステキ」「温かみを感じる」など、あふれ出る愛らしさに魅了される人の声もたくさん上がる人気となっています。
画像提供:Akie Nakata(@akie2525)さん
(C)2010 Stone Artist Akie (Akie Nakata)
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