ミクシィは2月14日、チケット売買サービス「チケットキャンプ」を運営していた子会社フンザに関する第三者委員会の調査報告書を公表しました。大口の出品者を優遇する非公表の制度があったことなどが明らかになっています。
ミクシィは2015年にフンザを買収。フンザは2017年、運営していた「ジャニーズ通信」などをめぐり、商標法違反および不正競争防止法違反の疑いで兵庫県警から強制捜査を受け、その数日後にミクシィはチケットキャンプ終了を発表しました。
また京都府警の強制捜査により、2018年1月にフンザ元社長と転売業者が詐欺の容疑で書類送検。報道では、他人名義を使って転売目的でコンサートのチケットを購入した疑いで、チケットキャンプ側は売上の多い出品者に優遇措置を取っていたとされています。
第三者委員会報告書では、「VIP会員制度」としてこのような優遇措置があったことが明らかにされています。同業他社サイトで取引量が多い、または取引内容が優良である出品者がチケットキャンプの会員になった場合に「VIP会員」とし、手数料の割引などの優遇措置を適用していたとのこと。また同業他社サイトで取引の多い、取引内容が優良な出品者に対してチケットキャンプ会員になるよう営業を行っていたことも明かされています。
VIP会員制度は公表されておらず、認定基準や優遇措置の内容がフンザ従業員の裁量に広く委ねられていたため、ミクシィは買収時また買収後もしばらくはこの制度のことを知らず、2016年10月になってから把握。「フンザ従業員が個別の利用者と接触を行うことはプラットフォームとしての中立性との関係で控えるべきであり、また、新規利用者の手数料に差を設けることは公平性の観点から望ましいものではない」として2017年2月に新規会員獲得を停止し、制度自体を同年12月に廃止しました。
報告書では、チケット転売問題について、音楽団体からの申し入れを受けてチケットキャンプの利用ルールを変える(出品価格の上限設定等)などの対応を行ったことは評価しつつも、一定数量以上の取引がある出品者のチケット入手方法の確認などの調査を行っていなかったと指摘し、誠意を欠いた対応と評価されてもやむを得ないと指摘しています。
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