「鬼は外、福は内」などの掛け声とともに豆を投げる、節分の豆まき。春の行事として行われていますが、子ども心に「鬼はめちゃくちゃ強いはず。豆なんかで追い払えるわけがない」と思っていた人も多いのでは?
そんな素朴な疑問に答えるべく、今回はどれくらいの威力で豆を投げたら“物理的に”鬼が倒せるのか、物理エンジンで検証してみました。
何粒の豆を時速何キロで投げたら、“物理的に”鬼が倒せる?
豆まき用の大豆を入手し調べてみたところ、1粒あたりの重量は0.3グラム。卵やラグビボール同様、伸びた球のような形状をしており、大きさは長いところでも1.5センチ程度でした。このデータを元に「何粒の豆をどれくらいの速度で投げたら、直立している鬼が倒れるのか」をシミュレーションしてみます。
ちなみに、鬼の体重は55キロと想定。総務省のデータによれば、15歳男子の平均体重が57.2キロ(2012年)あり、金棒を持った怪物にしては軽過ぎるような気もしますが、検証のうえではある意味、問題ありませんでした。というのも、この程度の体格ですら豆がまったく効かなかったのです。
一握り分(約45粒)の豆を時速18キロ、時速360キロで投げてみたところ、鬼はビクともせず。豆の数や重量を10倍にするなどしても、結果は変わりませんでした。ぐぬぬ、鬼の設定が適切かどうか以前に、豆が弱過ぎて話にならん……。
そこで、投げる豆のモデルを「世界一大きな豆」として知られる藻玉の豆に変更することに。これは熱帯、亜熱帯の地域で見られる植物で、直径5センチほどの豆が詰まったさやは、1メートルほどの長さになるとか。
直径5センチ、重量12グラムに改めた豆のモデル440粒を時速360キロで投げつけると、鬼はついにバランスを崩して地面にパタリ。やったー! 巨大な豆を新幹線みたいな速度で大量にぶっ放せば、鬼(と仮定した、中学生男子くらいの重さのモデル)が倒せることが分かったぞー(白目)。
元も子もない話をすると、豆まきには「大豆を投げつけて、鬼の目をつぶした」という伝承があるとか。今回の検証はスピードや重量などからくる豆の威力をテーマにしていましたが、本当に重要なのは、的確に急所に当てるコントロールだったのかもしれません。なお、同じことを人間にすると、たとえ弱く投げたつもりでも大けがにつながる可能性が。豆まきが災厄の原因にならないよう、ご注意ください。
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