地雷を探して15年 マインスイーパ日本最速プレイヤーが挑む“思考のスピードを超越した戦い”(1/4 ページ)
マインスイーパ「上級」世界第2位のよわぽんさんに取材しました。
周囲の地雷数を示すマスの数字をヒントに、安全なマスを開いていく「マインスイーパ」。近年までWindowsに標準で付属しており、PCユーザーの間では有名なパズルゲームです。暇つぶしにプレイしていたら、ついハマってしまったという経験のある人も多いのでは?
ですが、マインスイーパファンの中には何千何万回とプレイして腕を磨き、TA(タイムアタック)に挑戦しているプレイヤーも存在します。世界トップレベルともなると、「初級」「中級」「上級」の合計スコアは1分以下。何をしているのか全く理解できないほどの早業に、プレイ映像を見たほとんどの人が「考えている時間がまるでなく、マウスを適当に動かしているようにしか見えない。それでもクリアできてしまうのが不思議」という印象を抱くはず。
今回は、上級の日本最速記録を持つ世界ランカー・よわぽん(@sweeper_yowapon)さんに取材。“思考を超越した速度でパズルを解くマインスイーパTA”の世界について伺ってきました。
思考を越える速度でパズルを解くマインスイーパTA
―― 上級の日本最速記録を持っているとのことですが、何秒ですか?
マインスイーパにはいろいろな楽しみ方がありますが、私はTAを専門的にやっていて、上級のハイスコアは32.59秒。これは世界第2位の記録です。
―― 上級は30×16の盤面に地雷が99個配置されていますから、「毎秒、地雷を3個発見しながら、安全なマスを12カ所開いている」ような感じですね。ちなみに、中級のタイムは?
中級はそこまで得意ではないのですが、9.09秒です。序盤のミスが無ければ、8秒台に手が届いたと思うんですが……。
―― すいません、早過ぎてどこがミスしているのかよく分かりませんでした……。どう頭を使ったら、こんなに高速で解けるんですか?
プレイ中は考えているというか、考えていないというか。どちらかと言うと、地雷の位置が“反射的に”分かるような感じです。
一般的には「このマスに地雷があると仮定すると周囲の数字に矛盾する。だから、ここには地雷がなくて……」のように考えながら、時間をかけて解くものだと思います。ですが、TAの場合は思考する時間を削りたいので、盤面をパターン的に認識して地雷の位置を見極めます。
だから、右クリックで出る旗の使い方なんかもけっこう違いますね。
―― 普通は、地雷の目印として使う機能ですよね。推測した場所を忘れないようにしたり、誤クリック防止に使ったり。
でも、それなりに実力のあるTAプレイヤーなら、盤面をパッと見た瞬間に地雷の位置が分かってしまうので、わざわざ目印を付ける意味がないんです。実際、NF(No Flag/旗を使わずにプレイすること)でやっている人もいますし。
―― 「見えない地雷を回避するゲームなのに、もはや見えているも同然」というわけですか。じゃあ、旗は何のために使っているんです?
マインスイーパでは、数字マスの上で左右同時クリックをすると、周囲8マスがまとめて開けます。うまく使うとマスを1つ1つ開くよりもクリック数が少なくなるので、その分タイム短縮になります。
ですが、左右同時クリックには「その数字分の旗が設置されていなければならない」という条件があって。要するに、旗は「解くための機能」ではなく「手数を減らして、作業の無駄を省くための機能」として使うものなんです。
―― 極め過ぎてて、なんか俺の知ってるマインスイーパと違う……!
いえいえ。世界には、私でも頭が追いつかないようなTAプレイヤーがいますから。
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