漫画家の園田ゆり(@sonoda_yuri)さんが、漫画「赤い嘘のある世界」をTwitterで公開しました。他人のウソを見破る能力を手に入れた少年の物語。結末がいく通りかに解釈できて味わい深いです。
孤独な少年・真壁は、なぜかウソをついている人間の目が赤く見える能力を手にします。教室を見回してみると、同級生の目はもれなく真っ赤でウソつきだらけ。そんなある日、彼は赤澤という少女から告白されます。しかし、「付き合ってくれない?」と言う彼女の目は、真壁には赤く見えるのでした。
当然、真壁は彼女のウソを見抜き、罰ゲームだろうと即座に喝破。すると隠れていた仕掛け人たちがぞろぞろと登場し、空気を読めよとなじります。不快なワナにはめられかけた真壁は反撃へ。「恋人がいるフリ」「胸のサイズを盛っている」など、能力で知った同級生たちの秘密を暴き立てていきます。
図星を突かれた彼らは言い返せずに退散しますが、赤澤だけはその場に残って真壁に謝ります。そして、「告白はウソだけど、前から友だちになりたいとは思っていた」と明かす彼女の目は赤く見えず、言葉が真実であることを物語るのでした。
まっすぐな言葉に戸惑った真壁は、つい「お前らと群れるくらいなら孤独のほうがいい」と返答。しかし不意に鏡で見た自分の目は赤く、自分にもウソがつけないことに気付きます。ウソが見えるということは真実まで見えてしまう――自分の能力のやっかいさを知った彼は、深く落ち込んでしまうのでした。
赤澤が「真壁はもっと素直になればいいのに。あんなに目を真っ赤にしちゃってさ」とつぶやいて漫画は閉幕。言葉の意味は、「切迫した真壁の目が充血して赤く見えた」とも、「赤澤も同じ能力者だった」ともとれます。ツイートにも、どちらかの解釈をした感想が寄せられている様子。どう捉えるかは人それぞれですが、いずれにせよ真壁たちのその後へ想像がふくらむ、ステキなラストと言えるでしょう。
画像提供:園田ゆり(@sonoda_yuri)さん
(沓澤真二)
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