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「二郎系」と「蒙古系」のいいとこどり! ヤバイと話題のラーメン「フュージョン」はいかにして生まれたか

掛け合わせって簡単に見えますが、実は苦労した結果なのです。

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 ラーメンが好きな人で、「ラーメン二郎」と「蒙古タンメン中本」を知らない人はいないでしょう。前者は「二郎はラーメンではなく二郎という食べ物」との格言でも知られ、ジロリアンと呼ばれるコアなファンを生み出すラーメン、後者は麻婆豆腐が乗った蒙古タンメンが人気です。今回、そんなラーメン二郎と蒙古タンメン中本のうまいところを合わせたラーメンを提供する店が東京・人形町にオープンしたとネットで話題になっていたため、自宅近くの二郎のリピーターである私が行ってきました。


火の豚 フュージョン ドーン!


 目指す「火の豚」は、人形町駅からほど近くにあります。筆者は平日の12時前に到着しましたが、すでに席は埋まっており、外に何人か並んでいる状態。カウンター7席のみのこぢんまりとしたお店なので、時間帯によっては並ぶのも致し方ないかもしれません。ちなみに、食べ終わって店を出るころには既に10人ほど並んでいましたので、やはり人気なのだな……と思いました。


火の豚 フュージョン 火の豚人形町駅前店

 店の前には「二郎系×蒙古系 奇跡のフュージョン」と書かれた垂れ幕が。インパクトあるし目をひきます。そしておいしそうなんだよなこれが……。

 待っている間に券売機で食券を買います。取材当日は目玉メニューの「フュージョン」のみ提供中。まぜそばもあるなら今度は食べてみたい……と思いつつ、今回の来店目的であるフュージョンを購入しました。券売機の横には紙エプロンが置いてありますので、お客様に優しい、というか、場所柄サラリーマンに配慮しているという意味ではポイント高いなあと思いました。


火の豚 フュージョン 券売機(取材当日はオープン1カ月経ってなかったのでまだ食べられるものが少なかったです)

火の豚 フュージョン 紙エプロンもあるでよ

 ようやく席があきましたので、カウンターに座ります。水はセルフサービスなのですが、L字型カウンターになっていて、かなり狭いため、席に着く前に水を持っていった方がよいかもしれません。大きな荷物を持っている人は通れない可能性がありますのでお気を付けを。購入した食券はカウンターの上に出しておきます。

 卓上には一味唐辛子・ミル付きのブラックペッパー・カエシと呼ばれる醤油が置かれています。食べていて味の変化を付けたい時に入れるといい感じです。取材当日は昼間ということもあって店長さん1人で切り盛りしており、「No! Fusion No! Life」というキャッチフレーズが書かれたTシャツを着ていました。どこかで見たことがあるような言葉ですが……。


火の豚 フュージョン ホームページにうっすら写っているTシャツを着ていましたよ。

 壁には「無料トッピング」の詳細が書かれた紙が貼られていました。この辺は二郎っぽいです。トッピングは、ニンニク・ヤサイ・アブラのみ。二郎系でよくあるカラメ(味を濃いめにする)はこの時はできませんでした。その下に「マシマシはできません」とさらに紙が貼ってあったので、もともとは書かれていたのかも……。混雑していて写真を撮れなかったので、書いてあったものを再現してみました。


火の豚 フュージョン 取材当日に貼られていた無料トッピング一覧(※取材当日はマシマシはできなかったのですが、現在はできるようになったとのこと。ただしディナー営業時は在庫によって希望に添えない場合があるそうです。トッピングについてもしょうがが追加されています)

 ラーメンが出来上がるころに、店長さんから「ニンニクいれますか?」と聞かれます。この段階で、ニンニク・ヤサイ・アブラの無料トッピングの要不要を伝えます。例えば、ニンニクなしヤサイとか、ニンニクヤサイ少な目アブラ、という形で伝えます。場所柄・時間的にサラリーマンが多かったので、「ニンニクはなしで」と伝える人が多かったです。筆者はこの時とにかく野菜をモリモリ食べたかったので「ヤサイで」とコールしました。そして待つことしばし、カウンターの上にあのラーメンが……!

  • フュージョン(800円)※ヤサイトッピング

火の豚 フュージョン 上から

火の豚 フュージョン 横から

 ……うん、まさにフュージョン。野菜はもやしとキャベツでまさに二郎。ヤサイ増しにしているので、こんもり乗っています。そしてその二郎系ラーメンの上に辛い麻婆豆腐が乗っかっていて、2センチ程度の厚切り豚がでーんと鎮座しているというこの光景……! これ、おいしいに決まってるでしょ……!

 麺は食べ応えのあるもっちりしたちぢれ太麺で、若干硬めの印象。二郎系と言えばこのごわっとした感じの太麺をイメージする人も多いのではと思います。ちなみに麺を食べるときは、下から麺をすくいあげてヤサイの上に乗せて食べると食べやすいと思います。ヤサイこんもりなので、そうしないと麺にたどり着けません。


火の豚 フュージョン 麺。太麺でもっちり。

 スープは豚骨にしては優しい味わいで食べやすい感じです。麻婆豆腐と絶妙なバランスのスープなのですが、二郎的に「カラメ(味濃いめ)」が好きな人にとっては物足りないと感じる人もいるかもしれません。その場合は卓上のカエシを入れるとよいかも。筆者はあまり濃すぎるものは苦手なので、ここの味はちょうどいいなと感じました。

 麻婆豆腐はピリッと辛い感じです。筆者は中辛より少し辛いものは大丈夫なのですが、蒙古タンメンを食べるときは野菜増しにして食べていました。ただ、火の豚のフュージョンはそこまでしなくても大丈夫そうだったので、中本の麻婆豆腐の辛さが好きな人には少し物足りなく感じるかもしれません。でも、食べやすくておいしい麻婆豆腐でしたよ!


火の豚 フュージョン 麻婆。辛さは抑えめ

 そして豚。まさに二郎ちっくなバラ豚で、ほろほろと柔らかくておいしい! 豚の味自体は薄めなので、麻婆豆腐と一緒に食べてちょうどいい形にしているのかな、と思いました。


火の豚 フュージョン ほろほろのバラ豚

 筆者は普通盛りにしましたが、太麺のおかげで食べ応えばっちりでした。ただ、二郎の「小」の量(通常のラーメン店の大盛り程度と言われています)に慣れている方は、大盛りの方がいいのかもしれません。私はこれでもけっこうおなかいっぱいになりましたよ。

 食べ終わったら、どんぶりはカウンターの上に置き、近くにおいてある台拭きでテーブルを拭いて出ます。このへんもカウンターのラーメン屋によくある光景です。混雑しているので長居は禁物です。

 もともとこの「火の豚」は、埼玉県久喜市の「蒙麺火の豚」が本店。人形町の店舗はのれん分けではなく直営店だそうです。店主は二郎・中本の両方で修行経験があり、修行後に発案されたのがこの「フュージョン」なのですが、そもそもなぜ二郎系+中本の麻婆豆腐を合わせたラーメンを思いついたのか尋ねてみました。「コアなファンが多いラーメンのツートップである二郎・中本……それぞれうまいのだから、合わせてまずくなるはずがない、だから掛け合わせてみようと思いました」とのこと。シンプルな発想から生まれたものだったのですね。

 ただ、着想から完成までには実に半年ほどかかったのだそうです。「二郎系と中本をそのまま掛け合わせたように思われていますが、スープは普通の二郎系のスープより濃厚で甘くコクを出していて、麻婆豆腐についても中本と同じような形ではなくスープに合わせるような形で作り上げました」。二郎系も中本の旨辛麻婆豆腐もどちらも主張が強いだけに、うまく合わせるのに苦労したそうです。

 正直、二郎系? どうなの? と思う人も多いと思います。ただ、二郎にしては食べやすくボリュームもあるので、サラリーマンが並ぶのもわかるなあと思いました。どちらかといえば二郎がメインで中本が加わったという感じではありますが、結果おいしいのでよし! 今度はまぜそばフュージョン食べに行きます!



火の豚 人形町駅前店

営業時間:

 平日 11:30〜15:00/17:00〜21:00(ラストオーダー閉店10分前)

 土曜日 11:30〜15:00

定休日:日曜



あまにょん


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