advertisement
「漫画村」などの海賊サイトが問題になっている件で、NTTグループ4社は4月23日、法整備が整うまでの緊急措置として、準備が整い次第ブロッキングを実施すると発表しました(関連記事)。主要3キャリアの一角がブロッキング支持に回った形となりますが、残るKDDI、ソフトバンクは今後どうするのか。両社に取材しました。
回答はそれぞれ以下の通り(カッコ内は編集部によるもの)。
KDDI広報部:
著作権保護の重要性は理解している。(そのうえで)技術運用面、法制面などを含め検討中。
ソフトバンク広報部:
著作権などが侵害される事態を放置しておくことは看過できるものではなく、早急に対応すべき重要な問題として認識している。しかし、ブロッキングは通信の秘密を侵害する懸念もあり、慎重な議論が必要であることから、電気通信にかかわる業界団体などとも連携し、法律や制度、運用方法など、さまざまな観点から実行可能な方策を検討していきたい。
両社とも、著作権保護の重要性については理解しているとしつつも、ブロッキングの実施については「検討中」との回答。またどちらも技術面と法制面の2つを具体的な検討課題として挙げました。
ブロッキングの是非を巡っては、通常の取り締まりが難しい海賊サイトに対する「唯一の対抗手段」とする見方もある一方、憲法が定める「通信の秘密」の侵害になるのではといった懸念や、乱用による「検閲」を恐れる声も多く、日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)など複数の団体がこれまでに反対の意思を表明しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NTTグループ4社、海賊サイトブロッキング実施を正式発表 「法制度が整備されるまでの短期的な緊急措置として」
対象は「海賊版3サイト」。 - 「漫画村」のロゴ入り漫画、Amazon Kindleストアで無断販売される 集英社「至急対応する」
「漫画村」のデータを「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング」で販売したものか。 - 「漫画村」月間売上は6000万前後、利用者データを販売? サイトブロッキングシンポで調査結果が発表される
利用者データの販売も行われていたとしています。 - 「望んで広告を出しているものではない」 海賊サイト広告問題、出稿していた大手企業の言い分は
アフィエイターが無断で海賊版サイトに出稿している可能性も。 - 広告配信のジーニー、「漫画村」など不正サイトへの広告を停止したと発表
OEM先の企業がジーニーのシステムを使い、「漫画村」などに広告を配信していた疑い。 - 「漫画村出稿メール」を独自入手 「偽名営業」「取引先は海賊版サイト」元代理店従業員が語る異常な実態
漫画村の実質的窓口にも取材。 - 海賊版動画サイト「Miomio」から動画再生画面消える 「不適当な内容を回避するため」と発表文も
政府よりサイトブロッキングの対象として挙がっていた海賊版サイトでした。 - KADOKAWAが政府の海賊版サイト対策を受け緊急声明 「海賊版問題の抜本的な解決に向けた大きな一歩」
出版広報センターも声明を発表しています。 - 海賊版アニメサイト「Anitube」がつながらない状態に
一部では閉鎖のうわさも。 - 「二度と掛けてくるな」 “漫画村”広告主への取材一部始終、広告は取材後に消滅
広告元は取材に対して「二度と掛けてくるな」。