先日、劇場版「ゼロの執行人」が公開され、盛り上がりを見せている「名探偵コナン」。同作には、コナンくんが「腕時計型麻酔銃」で毛利小五郎をあっという間に眠らせてしまうシーンがよく登場します。
もしも、この腕時計型麻酔銃が現実世界にあったら、どんな仕組みなのでしょうか。今回は「漫画のあのシーンは実現できるのか」をテーマに3作品取り上げます。
コナンくんの「腕時計型麻酔銃」を実際に作るとしたら?
動物捕獲用麻酔銃にはよく「ケタミン」という麻酔薬が使われていますが、これは麻薬にも指定されており、取扱には免許や手続きが必要です。また、動く人間の静脈に的確に撃つのは難しいと思われますが、筋肉注射に必要な薬剤の体積は、人間に用いるなら50ml。この量だと針だけでなく、注射器ごと飛ばして注入する必要がありそう。小学生が事件解決のたびに発射するのは、いろいろな意味で危険です。
また、睡眠導入剤という線も考えられますが、口から摂取するタイプの薬が多いため不向きでしょう。そこで麻酔薬、睡眠導入剤に代わる第三の選択肢として浮かび上がるのが「本当は物理攻撃」説。とんでもない早さで針を発射し、それが首筋などに当たる衝撃で脳震とうを起こせば、気絶して麻酔で眠っているのと似た状態になるかもしれません。
……ただし、短期間に何度も脳震とうになると深刻な後遺症が残る可能性があり、毛利のおっちゃんの身体が心配でなりません。
「ドラゴンボール」の舞空術は、スマホの電力があればできる?
「気」をコントロールして空を飛ぶ舞空術。サイヤ人ではないわれわれでも扱える「電磁“気”」で再現する方法を考えてみましょう。静電気で髪の毛が引っ張られるあの力、電磁気力が使えるのではないか、というわけです。
ざっくりした計算ですが、地面を帯電させた状態で体重75kgの人間の身体に、スマホバッテリーの電気(ここでは2900mAh)を全て流せば地上6キロ地点まで浮上することが可能。ただし、皮膚に電流が流れたときの致死電流は50mA〜100mA程度なので、どう考えても死にます。良い子がマネしていいのは、かめはめ波のポーズまでだぞ!
瞬時に時速270キロに達する走行技術「ゴキブリダッシュ」は可能?
漫画「範馬刃牙(はんまばき)」には、主人公・範馬刃牙がゴキブリの動きから瞬時に時速270キロに達する走行技術「ゴキブリダッシュ」を生み出すシーンがあります。確かにある種類のゴキブリは、1秒間で体長の約50倍の距離を走ることが可能。もしも体長が160センチあったら、単純計算で時速288キロ、新幹線の最高速度並のスピードになります。
しかし、これを可能としているのは、ゴキブリが持つ特殊な脚の構造など。常識的に考えるなら、そもそも身体の作りが異なる人間にはマネできないはずです。それなのに、「ゴキブリダッシュ」が習得できるのはさすが刃牙、作中の言葉を借りるならば「スゴいね、人体(ニッコリ)」と言うほかありません。
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速さ=恐怖