イラストや漫画を描いているam(@rrrucon)さんがTwitterに投稿した、社会生活での「泣くことについて」のエッセイ漫画がさまざまな反響を呼んでいます。
amさんの悩みは、いろんな場面・高い頻度で泣いてしまうこと。音楽に共感したり感動して涙するようなことから、悲しかったり辛かったりすることでも泣くことが多く、後者は仕事場などで大きな悩みの種となっています。
「いい年して泣くな」「泣いて許してもらおうと思っているのか」など、叱られた場面では泣くことでさらに怒りやいら立ちを買ってしまい、amさんも「泣くことで相手を不快にさせる」「自分が恥ずかしい」と、泣きたくないと常に思っているものの、我慢しようとすればするほど涙が出てしまうそうです。
そんな中、「涙腺切除」について調べるなどしているときに、Q&Aサイトで同じ悩みを相談している人を見つけます。しかし、回答の中で多くの同意を得ていたのは「泣いてる場合じゃない」「みんながんばってる」「涙腺取っても言動は変わらない」といった内容でした。論点のずれを含んだ世間の声に、相談や打ち明けたりすることが怖くなったamさん。
泣くのを「我慢すればいいだけのこと」と感じている人からすれば、泣いてしまう人は「その我慢ができない弱い人たち」と思われているという、認識の違いを思い知らされたのでした。
漫画のまとめでは、怒られているときの泣いている側の頭の中は「ミスした自分が情けない」「次はここを見直して気をつけよう」など、自身のふがいなさと反省の念に押しつぶされ、その負の感情を涙として体外に吐き出すことで自分を保っていることを説明。またそのことが周りに迷惑だと自分でも思うなど、当人は己の過失にも気づいているとしています。
そこで泣くことをとがめられるとさらにストレスによる悪循環に陥ってしまうので、泣いていることに関しては触れず、本来注意する予定だったことのみを叱る・注意する、つまり「勝手に泣かせておく」方が解決が早いと考えを述べています。ただし、泣かれた側がイライラしたりするのは当然で、理解してもらおうとすることも甘えだと思うとし、「こういう理由もあるのだと知っていただけるだけでいいです」と伝えています。
Twitterでは「気持ちものすごくわかります」と共感し「心が少し軽くなった」という声や、「私も全く同じ悩み」「困ることが多い」と、同様に泣いてしまうことで起こる辛い出来事についてのコメントが多く寄せられ話題に。また同時に、反対の立場から「知らなかったことを知れた」「考えをあらためようと思った」などの声も上がり、大きな反響を呼んでいます。
amさんは後日、集まった声をまとめてさらに漫画を投稿。泣かない人からすぐ泣く人への印象では「責任感や向上心が強い」や「女をみせている」「男なのにみっともない」などの意見があり、すぐに泣いてしまう人からは誰にも相談できずに悩んでいたという声が圧倒的に多かったそうです。
最後に、“泣いてしまう人”と“泣かれてしまった経験がある人”の両方の声を拾い、「泣いていることを放置」するのは厳しいが、やめさせようとすると「泣いている側のストレスのはけ口が完全に閉ざされて」しまう現状があることを説明。その上で双方が思いやる行動が大切としつつ、「泣く側がなんとか対策を打つ方が相手のストレスを生まずに済みます」として、寄せられたアドバイスをまとめた一覧を作成しています。
同ツイートには直接のリプライだけ(引用リツイート除く)でも700近いコメントが寄せられました。その声からも「泣いてしまうこと」で学校や仕事場で困っているという人は少なくないのがわかります。漫画でもあるように感情を殺して無関心になることが一番の解決法とは言えないので、自分のストレスの状況や体質を踏まえて「自分を責めすぎていないか見直す」等を試したり、環境によっては「自分はこういう体質なんだと自己申告しておく」など、挙げられたアドバイスを実行してみるのもいいかもしれません。
画像提供:am(@rrrucon)さん
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自分のために、あるいは子どものために知っておきたい。
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