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コラム

「三十路」の意味を勘違いしていませんか?

あなたはいくつなの〜。

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 「いやー、もう三十路も半ばだからね」

 そう言って頭の後ろをかきながら苦笑いを浮かべる男性。さて、この男性は何歳でしょう



 これは実はかなり難しい問題です。なぜなら、彼が「三十路」という言葉をどのように使っているかが分からないからです。

 え? と思った方も多いでしょう。早速2つの可能性について見ていきましょう。


30歳説

 この男性が「三十路」の意味を辞書通り捉えていたならば、彼は30歳ということになります。誕生日から大体半年後なのでしょう。

 そう、実は「三十路」は30歳のことだけを指すのです。


みそじ【三十路・三十】〔「路」は接尾語。古くは「みそち」〕

1.三〇歳。

2.三〇。

引用:大辞林第三版


 「三十路」は30代全体を指すと思っていた方も多いのではないでしょうか。この勘違いの元になったと思われるのが「路」の字。なんだか30歳から39歳までの道を意味しているような気になりますよね。

 しかしこれは当て字。大辞林にもある通り、元は「みそち」と書きました。この「ち」は、「ひとつ」「ふたつ」の「つ」のように物を数えるときに使われる言葉。「二十歳」と書いて「はたち」と読む、あの「ち」です。



35歳説

 では「30代」という意味で「三十路」を使ってはいけないのか、といわれると、そうとも言い切れないほど広まってしまっているのが現状です。一部の辞書では「30代」という意味も載っています。


みそじ【三十路】

1.三十歳。

2.三十代。

引用:三省堂国語辞典第六版


 したがって、「三十路」といわれたからといって、「この人は30歳なんだな」と即断はできません。そもそも30歳6カ月なら「三十路半ば」とは言わない気もしますよね。

まとめ

 「三十路半ば」と言った本人が、どっちの意味で使っていたか、聞き手には判断がつきません。どうしても年齢が知りたいときには「30歳ですか?」と若く(そして本来の意味に沿った方で)聞いてみる……くらいが良いのかもしれません。

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