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昔の日本には“歩いてはいけないトイレの履物”があった

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 現代のトイレにスリッパ、サンダルが置かれているように、トイレ用の履物は昔から存在。どういうわけか“歩いてはいけない履物”が使われていた時代もあったといいます。今回はサクッと分かるトイレの雑学をご紹介。

昔の日本には“歩いてはいけないトイレの履物”があった

 その昔、日本のトイレには「厠下駄(かわやげた)」という履物がありました。明治時代末期から使われるようになった陶磁器製のものは、いかにも重そうな外見。見るからに、歩くには不向きです。

 厠下駄には、小便器の前に置くことで「ここで構えれば床が汚れませんよ」と立ち位置を示すなどの役割があったといわれています。履いたまま動くわけではないため、トイレのスリッパやサンダルのように軽い素材を利用する必要がなかったようです。ちなみに、陶磁器には「汚れたら簡単に水洗いできる」というメリットがあったとか。


INAXライブミュージアム「窯のある広場・資料館」にて所蔵されている厠下駄


小便器でも、陶磁器製で芸術性の高いものが作られていたそうです(Webサイトより)

 トイレ研究家・山路茂則氏によると、昭和30年代には「(厠下駄を)一般の家庭で見かけることは少なく、料理屋等でよく見た」とのこと。ただし、履くと体の高さが変わってバランスが取りにくくなるため、用を足しにくかったそうです。そのせいで、かえってトイレを汚しちゃう人はいなかったのかなあ……。

参考


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