【三菱・エクリプス クロス試乗】グイグイ曲がる、加速もいい、これかなり楽しい! 三菱4年ぶり新型車の“ホンキ”を見た(1/3 ページ)
オールドファンは新型車投入に安堵。これ、もしかしてランエボより楽しいかも、なんてね。(写真56枚)
クーペ+SUV(スポーツタイプ多目的車)=デザイン性や居住性に優れ、さほど大型ではなく、そしてスポーティな走りもカバーする「アーバンSUV」とでも表すべきコンパクトSUVの人気が高まっています。
コンパクトSUV型の車種は各社がいろいろとリリースしている。家族、そして自分の好みにも合いそうだ。こんな人にとって、三菱自動車(以下、三菱)の「エクリプス クロス」(関連記事)も気になる1台ではないでしょうか。早速試乗してみました。
外観は、往年のモデル「スタリオン」や「FTO」などのスポーティな印象を思い出させつつも、近未来的な機能性を融合したような、高揚感を沸かすデザインです。東京モーターショー2017などで三菱が示したコンセプトカー「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」(関連記事)の流れをくんでおり、側面にスッと深めに刻まれるキャラクターラインがSUVにありがちな武骨さや厚ぼったさをうまく消しています。なかなかカッコイイですよね。
エンジンは1.5リッターの直噴ガソリンターボのみ(2018年4月現在)。しかもトランスミッションはCVT(Continuously Variable Transmission:連続可変トランスミッション)です。この仕様だけ見ると、“走り”を期待するものではないと思うかもしれません。実際に少し走らせてみても、確かにダンパーも柔らかく、乗り心地はしっとりと穏やかです。
しかし「出足がかなりいい」ことにおおっ! と驚きます。CVTの制御が絶妙なようで、想像以上の鋭い加速を感じました。また、エンジンも2.5リッタークラスの自然吸気エンジンと錯覚するほどの力強さがあります。エクリプス クロスの1.5リッター直噴ガソリンターボエンジンは排気量こそ小さいのですが、実は最大トルクが24.47kgf-m(240Nm)もあり、それを2000〜3500rpmの低回転で、かつ幅広い回転域で発生します。例えば、三菱の中型SUV「アウトランダー」やミニバン「デリカD5」などに搭載される2.4リッターのガソリンエンジンは約23kgf-m(226Nm)/4100rpmなので、それよりもトルクが太く、しかも低回転域で発生していることになります。
この特性によって、エンジンが1500rpmも回っていれば十分な力強さが得られます。CVTの減速比が適切に制御されることも、得られる感覚にかなり効いていると思います。都市部ではストップ&ゴーを繰り返しながら走りますが、こういった普段のシーンでとても快適。むやみにアクセルを大きく踏み込む必要がないので、意識した燃費走行にも有効です。
ワインディングで鮮やかに際立ってくる「ハンドリングの心地良さ」
続いてワインディングロードへ入りましょう。その途端、乗り味の心地よさが鮮やかに際だってきました! まず、ハンドリングの感覚がいい。アクセルを踏み込むと、まるでFR(フロントエンジン・リアドライブ)車のリアタイヤが回り込むように旋回していく感覚が得られ、グイグイと曲がっていきます。とても軽やかです。これは足回りの設計やセッティングに加えて、四輪それぞれの駆動トルクなどを制御し、前輪の舵角以外にもクルマを旋回する力を発生させる電子制御システムのおかげでしょう。
具体的には、前後輪のトルクを適切に配分する「電子制御4WD」、左右輪間の駆動と制動力を適切に制御する「アクティブヨーコントロール(AYC)」、走行中の横滑りやタイヤの空転を制御する「アクティブスタビリティコントロール(ASC)」、タイヤロックを防ぐ「アンチロックブレーキシステム(ABS)」の各機能を、クルマの挙動とドライバーの操作を車両各部のセンサーで検知して制御する車両運動統合制御システム「A-AWC(Super All Wheel Control)」を備えています。
タイヤのグリップレベルも高いと感じました。新車装着タイヤは東洋ゴムの「プロクセスR44」で、試乗したGプラスパッケージは18インチのタイヤ(225/55R18 98H)を採用します。市販品と見た目は変わりませんが、エクリプス クロスの「走りの心地よさ」などを実現するために専用開発された製品とのことです。
こういったクルマを操る楽しさ味わうための環境が整っているところは好感が持てます。さらに加えると、シートも良好です。普通に走るときには、正しい運転姿勢を取りながらも窮屈さを感じさせず、リラックスして運転できます。そして山道のようなシーンでは、しっかりとしたサイドサポートがあるおかげで乗員をきっちりと支えてくれます。
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