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カルピスの元になったのは、「醍醐素(だいごそ)」という飲み物です。何だかおカタい名前ですが、カルピスという商品名にも、その名残が少し残っているもよう。今回は、実は仏教などと関連があるカルピスの雑学をご紹介します。
カルピスの「ピス」は、古代の乳製品「サル“ピス”」
「醍醐素」はカルピス社創業者・三島海雲が開発した脱脂乳に、乳酸菌を加えた飲み物。同氏は乳酸菌で発酵させたクリーム「醍醐味」を先に開発(1917年発売)しており、「醍醐素」(1919年発売)はその製造過程で発生する脱脂乳を製品利用したものだといいます。
「醍醐素」「醍醐味」に使われている「醍醐」とは、仏教の経典などにも登場する古代の乳製品。牛乳から「酪(らく)」を作り、酪からは「生酥(せいそ)」を、生酥からは「熟酥(じゅくそ)」を、熟酥から醍醐といった具合に段階的に作るものだとされています。
カルピスの「カル」はカルシウムに由来し、「ピス」は熟酥をサンスクリット語にした「サル“ピス”」に由来。元が醍醐素なのに醍醐を当てないのは何だか不思議な気がしますが、これは語感を重視したためだとか。醍醐をサンスクリット語にすると「サル“ピル”マンダ」になるのですが、「カル“ピル”」よりも「カル“ピス”」の方が言いやすいと考えたそうです。
ちなみに、帯広畜産大学らの研究によれば、「本草網目」という文献をもとに醍醐の再現実験を行うと、バターオイルのような食べ物ができるとのこと。
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