自己評価が低い人の心理を描いた漫画がTwitterに投稿され、分かる! と反響を呼んでいます。
デザイナーでイラストレーターのすぴかあやか(@spicagraph)さんが「自己評価が低いひとのめんどくさい心模様」と題して投稿したもので、“ボールの飛距離”という概念を通してやや抽象的に自己評価をめぐる心理を描いています。
漫画ではまず、自己評価が高い人は自分が投げたボールの飛距離=自分の力が分かっていると定義。逆に自己評価が低い人はそもそもボールが見えていない状態だとしています。
しかしボールが見えていなくても、ボールを投げた先に“壁”があればボールは跳ね返ってきます。“跳ね返り”とは仕事や趣味における周囲の評価の例えで、ボールが手元に「バシッ」っと戻ってきた手応えによって、自己評価が低い人でも自分の力を知覚することができるのです。
漫画ではこうした“ボール”や“壁”が存在する空間を元に、自己評価が低い人が陥りがちな思考のワナについて、数パターン描いています。
壁を疑ってしまう
自己評価が低い人でも、周囲が認めてくれるようになると次第に学業や仕事が楽しくなってくるものです。漫画でも、ボールを壁に投げるのが楽しくなってきた主人公はどんどん笑顔でボールを壁に向かって投げるようになってきます。ところがそんな折、“へこむ出来事”が頭上に「ガンッ」と直撃。「もしかしてこの壁が凄かったのでは…?」と、一気に自信を失い、疑心暗鬼に陥ってしまいます。
壁の有無にかかわらずボールの飛距離を知っている=自己評価が高い人と違い、自己評価が低い人は壁からの反響(周囲の評価)に依存しがち。ちょっとしたことでせっかくの自信が揺らいでしまうのは非常に共感できます。
自分ではなくボールの方に価値があると思い込む
へこむ出来事にもめげず、再びボール投げに精を出す主人公。そこへ、壁とは違う方向から来た人が「すてきですね」と声をかけてくれます。これには主人公も高揚を隠せません。「ああ、これね!!」とボールを手で持ちニッコリ。しかしここにもワナが潜んでいました。褒められたのは自分自身ではなく、ボールの方だと認識してしまっている主人公。これでは褒められても、自己評価が高まるとは限らないのです。
漫画の欄外では「※ボールが体やお金の場合メンヘラコースへ」とも。容姿や収入への評価は必ずしも内面的な自己肯定にはつながらないため、そこに依存してしまうのも確かに危険かもしれません。
褒められても信じない
ボールを褒められ上機嫌な主人公は、「わたしにはこれしかないや」と、ボールを壁に投げ続けます。ところがまたもや先ほどの通行人が「あなたはそのままですてきですよ」と、言葉を投げかけてきます。素直な賛辞で、通常であれば喜ばしいことです。ところが自己評価が低い人である主人公は「このひと大丈夫…?」と、褒めてくれた人を完全に奇異の目で見つめ返してしまうのでした。
いきなりお世辞を言われても、単なるお世辞か裏の意図でもあるのではと、むしろ疑ってかかってしまうの、よく分かります……。
こうしたマイナス思考あるあるを集めた漫画に対し、Twitterでは「完全に自分」「わかります…!」「私の場合『そのままでステキですよ』と言われると『そのままってどういうことだろう』ってなるんです」「逆に自己評価高い人の心理状態が知りたい」といった声が。
また、一部には比喩表現が理解しきれなかったという声もあり、それに答えるため作品内容の解説を試みるツイートもいくつか投稿されています。この記事での解説も、漫画のいち読者である筆者の目を通したものにすぎません。ボールと自己評価について漫画を読んで考えてみることで、日々をより楽しく生きるヒントが得られるかもしれません。
画像提供:すぴかあやか(@spicagraph)さん
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