米国20地域に200個のサイフをばらまく実験を行った結果、ほとんどすべてが無事に返還されることがわかり、「ほとんどの人は素晴らしい! ステキな発見だ」「私の町を誇りに思うわ」など感動の声が寄せられています。
科学をテーマにした動画で人気を集めるYouTuber、マーク・ロバートさんは、財布を落として困ったことを機に、20地域200個のサイフをばらまいて、どれくらいのサイフが無事に返ってくるか調べてみようと思ったそうです。
サイフの中には、身分証明書(偽物)やUSドル紙幣、お金がたくさん入っているように見せるためにフィリピンの紙幣が入っています。赤ちゃんのエコー画像と子犬の写真を入れることで、拾い主がサイフの持ち主に同情するように工夫もしました。電話番号を書いた紙を入れておき、拾った人から連絡をもらうことで、無事に返ってきたサイフとしてカウントします。
サイフを落とす人はロバートさんが、SNSで募集。各地域から20人が集まり、1人につき10個サイフを落とします。一部の人は隠しカメラでサイフを落とした位置を撮影して、サイフが拾われた状況や拾った人の様子も記録しています。
3日後、データが集まりました。なんと3分の2の財布が返ってきたのです。さらにそのうち96%は、中に仕込んだお金が入ったまま。ロバートさんは今回の実験をもとに、さまざまな分析結果を発表しています。
まずは年齢です。電話をかけてきた人の平均年齢は36歳で、アメリカの平均年齢とほとんど同じことから、ロバートさんは「何歳であっても、正直であることに影響はない」と述べました。
収入の差もサイフの返還率に影響を与えていません。1つの地域で、平均収入が高い地域と低い地域に同じようにサイフを落としましたが、結果はどちらも同じだったとのことです。
男女の差も関係ありませんでした。女子トイレと男子トイレ、それぞれに同じ数のサイフを落としましたが、返還率に影響は出ていません。
都市の大きさは、返還率にわずかな影響を与えているようです。大きい都市より小さい都市の方が返還率は、やや高い結果に。ロバートさんはこの結果について、「小さい都市は大きい都市のような匿名性がなく、面倒見がいいからではないか」と推測しています。
シカゴ、ソルトレイクシティでは、返還率が100%でした。10個すべてのサイフが返ってきています。ラスベガスやポートランドでも、8割以上のサイフが返ってきています。シアトルやニューヨークでは、返ってきたサイフの数は5割以下でした。
ロバートさんはこの実験で2つのことを学んだと語ります。1つは、サイフに電話番号を入れておくことで、なくしたサイフが返ってくる確率は高くなること。もう1つは、人は思っていたより正直だということです。「20%くらいしか返ってこないと思っていた」「ネットでは対立が強調される」「冷静に計測された結果からわかるように、年齢や性別や社会的な経済状況に関係なく、善良な人びとはどこにでもいる」とロバートさんが語るように、実験では人々の善意が明らかになり、感動を集めました。
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