登山家の栗城史多さんが、エベレストの無酸素・単独登頂に挑戦している最中に死亡しました。35歳。栗城事務所が公式Facebookページや公式ブログで発表しました。
栗城さんは4月17日にエベレスト(8848m)に向かって日本を出発。5月16日に標高7300mまでの高度順応を終えてキャンプ2(6250m)まで下山し、21日登頂を目指して20日から再び登り始めましたが、体調不良のためその日の内に7400m地点から下山することに。しかし栗城さんが無線連絡に全く反応しなくなり、キャンプ2近くの撮影隊が栗城さんのルートを登って捜索したところ、低体温で息絶えた状態で発見されました。
栗城事務所は「生きて帰ることを誓っておりましたのに、このような結果になり大変申し訳ございません。生きて帰るため執着しないと誓っておりましたのに、最後に執着してしまったのかもしれません」とコメント。何m地点で発見されたかなど詳細はわかり次第知らせるとしており、「これまで栗城を応援していただき、本当にありがとうございました」と見守ってきた人々へ感謝の言葉をつづっています。
エベレスト級の高山では、酸素ボンベを用いない「無酸素」、連隊ではない「単独」での方が登頂が困難とされています。栗城さんは2009年から、気候条件の厳しい秋季(9月〜11月)でのエベレスト無酸素・単独登頂は前人未到だとして挑戦を続け、2012年10月には8070m地点まで登った際に強風による凍傷で両手9本の指を失う大ケガを負いましたが、以降も挑み続けてきました。
秋季ではないものの8度目のエベレストへの挑戦となった今回。栗城さんは4月末から高熱と咳を訴えていましたが、5月9日あたりに病院で診てもらったところ肺に異常はみられなかったと報告。19日には「体調は、若干咳がでるくらいで(遠征)前半にあった咳や熱はほぼなくなっています。今、チャンスがあると思っています」と発表していました。
(黒木貴啓)
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