「オタクが戦国時代へタイムスリップ」「SNSのフォロワー数が戦闘力になる異世界」など、日々ユニークな世界を生み出している横山了一先生(@yokoyama_bancho)の漫画を不定期にお届けするこの連載。今回紹介するのは「異世界ラブワゴン」。種族も生い立ちもまるで違う仲間との“相乗り”で、主人公のユウジは何かを見いだせるのか。
異世界ラブワゴン
男女7人がさまざまな国を車で旅するなかで、恋が芽生える――そんな感じの番組に応募したユウジは、ふと気が付くと見知らぬファンタジックな異世界で「ラブワゴン」に乗っていました。
同乗者も悪魔のような外見の男や妖精風の女性、果てはスライムと異種族ばかりです。しかも「20年前に里を焼かれた」「呪われし子として村から追い出された」など、バックボーンが恐ろしくヘビーで声がかけづらい。
そんななか、ユウジはスライムに好意を寄せられた様子。しかし、言語が違いすぎてまるでコミュニケーションがとれず、とても誰かとカップルになれる気がしないと落ち込んでしまいます。
「退屈そうね」と仲間に声をかけられ、「そういうわけじゃなくて、ここは自分の場所じゃないような気がしちゃって」と、元ネタの番組でありそうな悩みを打ち明けるユウジ。すると相手に「みんなその場所を見つけにここに来たんじゃないの?」と説かれます。過去を振り返ったユウジは、元の世界でもたいした居場所なんてなかったのだから、この異世界で頑張ってみようと決意します。
そして1カ月後、「里を焼かれた」女性と、「呪われし子」がカップルに。ユウジは2人を祝福しながら、「まだ自分の居場所は見つからないが、もう少しだけラブワゴンに乗り続けよう」とつぶやきつつ旅路を進むのでした。ちなみに、「スライムはその後フリました」とのことです。直前まではいい話っぽかったのに、最後、最後〜っ!
最後のモノローグで全ての流れを吹っ飛ばす構成が、読者の笑いを生んだこの漫画。リプライでは「スライムかわいそう」「『その時のスライムの日記』が気になる」と、スライムの人気が高まっています。
作者:横山了一
1978年生まれ、北海道釧路市出身。2002年に『熱血番長鬼瓦椿』(週刊ヤングマガジン)連載デビュー。妻は漫画家の加藤マユミ(@katomayumi)。妻子との日常を描くエッセイ漫画『きょうの横山家』や、オタクが戦国時代で活躍する『戦国コミケ』など、幅広い作風で知られる。
Twitter:@yokoyama_bancho
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