魔法使いを目指す少女がおばあちゃんに魔法を教わる漫画が、とてもあたたかい気持ちにしてくれるとTwitterで話題です。
漫画「私の魔法の先生は魔法が使えない」を投稿したのはTwitterユーザーのあれっくす(@08_alex_01)さん。5月5日に開催された同人誌即売会「コミティア」で頒布した漫画をTwitterに投稿したものです。
魔法使いを目指す少女は、屋敷で働く異国の服を着たおばあちゃんに「魔法を教えて」とお願いをしますが、「あたしゃただのババアだよ」と断られます。実際、おばあちゃんは魔法使いでもなんでもありませんので、断られるのは当然です。
別の日に「また召喚魔法教えて」と紙を持ってきました少女。おばあちゃんが紙を折って作った鶴や象が、彼女にとっての召喚魔法だったようです。時が来たら捨てるようにと言われた少女ですが、成長しても折り鶴は捨てずに持ったまま。ステキな魔法で召喚された鶴が劣化しないように、魔法を使ってずっと大切に保管していたのでした。
大きくなり魔法学校に通っていた少女も、卒業論文を書く時期に。テーマは「雷」だと教えると、おばあちゃんは良い魔法を知っていると言います。しかもひとつは回復魔法だと言うのですから、これは教えてもらうしかありません。数時間後、雷の魔法でおばあちゃんの肩を刺激する少女の姿が……。少女の国で電気マッサージが生まれた瞬間でした。
次は難しいかもしれないけど覚えたら便利という魔法です。その名も「マイクロ波」。数日後、マイクロ波を使いこなすことができるようになった少女は、コップの中の液体をボコボコと沸騰させていました。これでいつでも温かいスープを飲めるようになりました。確かに、同様にマイクロ波を使った電子レンジはとても便利ですからね。
どうしてこういうことができるのか、少女が疑問に思うと、おばあちゃんは「何故そうなるのかの“何故”を追いかけ解明した人間こそ一人前だとあたしゃ思ってる。技術を進歩させた人っていうのはそれが出来ている人ばかりだからね」と、含蓄のある言葉を語ります。感動した少女は「先生って呼んでいい?」と聞きますが「あたしゃただのババアだよ」と断るのでした。
おばあちゃんのアドバイスを元に書いた論文が国の魔法技術を大きく進歩させる内容だったため、少女は王室から勲章を授与されます。国の研究所へ入所することになった少女は、おばあちゃんに一緒に来てほしいとお願いします。「これからもずっと私の先生でいてほしい」――以前先生と呼ぶなと言われたにもかかわらず、ずっとおばあちゃんのことを先生と思っていたようです。おばあちゃんはあきれつつも一緒に行くことを承諾してくれました。そしてやっぱり「あたしゃただのババアだよ」と微笑むのでした。
おばあちゃんとおばあちゃんが教えてくれる魔法が大好きな少女と、魔法というよりも知恵を授けることで少女の成長を見守る優しいおばあちゃんのお話に「おばあちゃんかっこいい」「とても良い2人」「おばあちゃんの知恵袋とはまさにこの事」など、2人のあたたかい世界にほっこりする声が届いています。
決め台詞のように「あたしゃただのババアだよ」と言いつつも、ひとつの世界の魔法技術を進歩させるほどの知恵を持ったおばあちゃん。少女の功績に自分が関わっているとは思ってもいないようです。けどそんなおばあちゃんがとてもカッコいい!
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