授業で作成したフェイクニュース、SNSで本物として拡散される事態に 大教大が謝罪
「大阪大学と大阪教育大が2025年に統合する」といううわさがSNSで広がりましたが、実は授業で作ったフェイクニュースが元ネタでした。
大阪教育大学が授業の一環でWeb上に作成したフェイクニュースが、SNSで一部の人々に事実として拡散されたことについて、6月2日に大教大が「多くの方々に誤解を招いた」と謝罪していたことがわかりました。
フェイクニュースは「大阪大学 大阪教育大2025年統合へ」というタイトルで、2025年に大阪大学と大教大を統合するための関連議案の国会提出を政府が確認したという記事です。もともとは2017年後期に大教大の「メディアリテラシー演習」授業で学生が作ったもの。学生にメディアリテラシー意識を高めてもらうために、自身でフェイクニュースサイトを作成し、授業内で閲覧者に実際にだまされてもらうという授業内容でした。
作成したサイトは授業終了後も資料として公開していました。しかしフェイクニュースサイトであることはトップページには明記していたものの記事のページには記載しておらず、記事に直接アクセスした人にはフェイクニュースだとわかりにくい作りになっていました。5月末になってTwitterで「大阪大学、大阪教育大と統合するようですね」「信憑(しんぴょう)性がわかりませんがあまり実現してほしくない」とこの記事をソースにした情報が拡散される事態に。
大教大では当該の記事を削除し、公式サイトで説明文を公開。「多くの方々に誤解を招く事態が発生しました。関係者の皆様には、深くお詫び申し上げますとともに、今後、このような事案が二度と発生することのないよう、再発防止に取り組んでまいります」と謝罪しました。
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国際的に広まりを見せているものの、日本では「ごく限定的」な取り組みしかないとのこと。