漫画家のるかぽん(@rukapon)さんが、子どもの素朴な疑問「漫画や音楽ってネットならタダなのに、お店で売ってるのはお金払うのって、なんか変」に対する説明をまとめた図がTwitterで反響を呼んでいます。
コミックスやCDといった商品が、なぜその価格なのかを説明していると出てくる「じゃあなんでネットはタダなの?」という子どもの疑問。これに対し、お金を払わないとどうなるかを、無料で読める・聴けるものを「どちらも宣伝」という点から、食べ物の“試食”に例えて説明しています。
この図では、漫画や音楽を「無料で楽しめるし」「お金出すのバカらしい」と買わないことを、お店の試食だけを食べることに例えています。すると、消費者が商品を購入しないため「みんな好きじゃないのかも……」と試食が中止になり、生産も中止に。これが漫画の場合なら読んでいた作品の連載が打ち切られたり、単行本が出なくなったり、アーティストなら制作活動が停止してしまうことにつながります。
そしてもう1つの重要な視点として、商品代金には材料代以外にも関わった人たちの給料や、その後コンテンツを継続するための資金が含まれていることを指摘。そのため、「たとえ無料の物があったとしても、みんながお金を払わないことにしたら作る人が続けられないし、めぐりめぐって自分も貧しい生活になってしまう」と説明しています。
なお、実際にどうすればいいのかについては、使えるお小遣いの範囲で購入したり、口コミで良さを伝えて広めたりすると、作家・アーティストの手助けになると説明。全ての商品は「だれかが作ってる」と思ってお金を使うことで、新しい作品につながるとまとめています。
最近では海賊版漫画サイトが問題視されていますが、ファンからの手紙やメールで「海外動画サイトで全部探して見ました!」といった内容が作者に寄せられるなど、以前から「ネットならタダ」を当たり前として受け取る人がいることはたびたび話題になっています(関連記事)。ただし無料コンテンツの中には公式のものもあるため、必ずしも“無料が悪”ということではありません。サンプルなどの無料コンテンツは便利なものでもあり、広告収入によって権利者側が収益を得るという手法もあります。
Twitterでは2枚の図で示した内容に「わかりやすい」「多くの子どもたちに見てもらいたい」といった声が寄せられ話題に。また代金には「運送や倉庫代」など気付きにくい部分が多く含まれていることや、無料コンテンツの仕組みを説明することの大切さを訴える意見もあがっています。
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