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かつて“2より小さい数字が打てないキーボード”が存在した理由

生年月日もまともに打てないぞ……。

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 QWERTY配列とは、PCのキーボードなどに採用されている文字盤の並び。その元祖はタイプライターにあるといわれていますが、どういうわけか、2より小さい数字が打てない仕様になっていたとか。今回はキーボードの雑学をご紹介。

かつて“2より小さい数字が打てないキーボード”が存在した理由

 QWERTY配列を考案したのは、19世紀米国のクリストファー・レイサム・ショールズ(Christopher Latham Sholes)氏。彼が特許を申請した「Sholes and Glidden typewriter」(1874年発売)には、現在のキーボードによく似た配列が使われています。


ショールズ氏の取得した特許の一部


現在のキーボードの配列によく似ていますが、数字は2〜9までしか打てません(特許資料より)


現在のキーボード。当然、「2」の前には「1」があります

 しかし、よく見てみると、アルファベットの位置が微妙に違ったり、キーが少なく記号があまり使えなかったりと違う点も。現代人が特に戸惑うのは、キーボード上部に配置された数字のキーが、2から始まることではないでしょうか。

 これだと「0」「1」を打つことができないのですが、当時の人たちは、代わりに似た形のアルファベット「O(オー)」「I(アイ)」を使うことで何とかしていたようです。数年後に発売された後継機には大文字、小文字の切り替え機能が搭載されましたが、やはり「0」「1」は打てないまま。

 ちなみに、この2つのタイプライターは、商業的に成功した最初の製品なんだとか。「普通に数字が打てる」というのは現在では当たり前のことですが、発売当時はタイプライターの黎明期だったこともあり、そこまで重視されていなかったのかもしれません。


左:「Sholes and Glidden typewriter」の写真、右:「Scientific American」誌(1872年)に掲載された、同タイプライターの絵(ともにWikipediaより)

主要参考文献


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