集英社の『週刊少年ジャンプ』編集部は、作品の「冒頭部分だけ」を募集する漫画賞「ジャンプスタートダッシュ漫画賞」を創設し、7月2日から第1回の募集を開始しました。Twitterからでも投稿が可能な他、優秀作は審査員である『暗殺教室』の松井優征さんと一緒に物語の続きを考えてもらえる特典付きという、異例づくしの漫画賞となっています。
同誌が「冒頭だけ」の漫画賞を実施するのは初。募集する原稿枚数は3〜7ページ、鉛筆描きでもOK。応募は原稿用紙によるアナログ投稿や公式サイトからのデジタル投稿だけでなく、Twitterで「少年ジャンプ漫画賞」のアカウント(@jump_mangasho)をフォローして原稿画像をハッシュタグ「#スタートダッシュ漫画賞」を付けながらツイートするだけでも投稿完了となるなど、ハードルの低さが特徴的です。
審査員は松井優征さんが担当。優秀作品は松井さんからアイデアを提供してもらえる上に、続きも一緒に考えてもらえるという、人気作家の思考法に触れられるチャンスも待っています。
賞について松井さんは「読み切り漫画の心臓部は、『描き出し』だと思っています。なので、この賞の審査員のお話を頂いたとき、二つ返事でお受けしました」「『どんな手段を使ってでも世に出たい』と考えている新人さんがいらっしゃったら、手段のひとつとして、こういう賞にチャレンジされてみるのはいかがでしょうか」とコメント。
賞金・賞品は入選が30万円+本誌に掲載、準入選が15万円+本誌に掲載、佳作が5万円+増刊に掲載(以下あり)。締切は8月31日(当日消印有効、デジタル投稿は31日23時59分まで)です。
松井優征コメント
読み切り漫画の心臓部は、「描き出し」だと思っています。なので、この賞の審査員のお話を頂いたとき、二つ返事でお受けしました。漫画新人賞の審査をさせて頂く時よく目にするのが、「展開が遅い」作品です。酷い時には、10ページを超えるまで主人公が出てこない時もあります。新人さんの読み切りでは、「この漫画はどういう漫画で、こういう要素が売りなんです」という事を始まってすぐに示せなければ、お客はすぐに読むのをやめてしまいます。だからこそ、読者を引き付ける強い「描きだし」が必要なのです。
もちろん、才能ある方はどんな描き出しだろうが最後まで読ませられると思います。ただ、「どんな手段を使ってでも世に出たい」と考えている新人さんがいらっしゃったら、手段のひとつとして、こういう賞にチャレンジされてみるのはいかがでしょうか。
ハッタリでも、出オチでも、勢いだけでも、後先考えてなくても構いません。とにかくインパクトのある描きだしを作ってみて下さい。整合性など後からどうとでもなります。そんな細かい事より、最初の数ページで読者を引き付ける事の方がずっと価値がある事だと思います。
「この漫画、最後まで読んでみてえ︕」と思わせられるか、それだけがこの賞の選考基準の全てです。
このコンセプトに共感して頂けるのであれば、ぜひとも力作をお待ちしてます。
(C)松井優征/集英社
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