とあるお父さんが作った「数独」サイトがTwitterで注目を集めています。それまでは「娘夫婦、息子夫婦くらいしかアクセスしていなかった」のが、話題になってからは「爆発的なアクセス数」にまで伸びたとのこと。お父さんになぜ自分で数独サイトを作ろうと思ったのか聞いてみました。
注目を集めたきっかけは息子さん(@kananira)のツイート。「ちまたの数独問題の難易度に満足できなくなった親父が、実家の俺の部屋を勝手にサーバールームにして自動で高難度の数独問題作るアルゴリズム組んでた」「ほぼ親父しか解いてねえ。誰かやってくれ」と呼びかけたところ、1万6000回以上リツイートされるなど話題に。息子さんの部屋を勝手にサーバールームにしてしまったり、自分でアルゴリズムを組んだりと、お父さんの本気ぶりがそこかしこから伝わってきます。
「数独」は、9×9のマスの中に、“かぶり”が発生しないように1〜9までの数字を入れていくパズル遊び。ナンバープレイス・ナンプレとも呼ばれ、2000年台にイギリスで爆発的ブームとなり、これがきっかけで世界的に知られるようになりました。
サイトでは中級者向けの「level2」から、最高難度の「level9」まで、全部で8段階(+α)の数独問題が出題されています。「level2〜5」までは毎日7題を入れ替えで出題、「level6」以上は固定ですが、「上級者向け」とある通り、かなりの難易度となっているようです(筆者も挑んでみましたが解けませんでした……)。ただ、難易度にはこだわりがあり、「仮置き(※)」をしなくても、全てロジックで解けるものだけを掲載しているとのこと。
※理詰めで数字を確定させるのではなく、分からない部分に取りあえず仮で数字を入れてみて解くこと
サイトの作りはシンプルですが、数独サイトとしては十分で、おまけに問題も本格的。今まで知られていなかったのが不思議なくらいで、息子さんのTwitterにも「数独好きなので面白いです」「数独大好きなので利用させていただきます!」など、喜びの声が多く寄せられていました。
それにしても、なぜ自分で数独サイトを作ろうとまで思ったのか。サイトの作者(お父さん)に聞いてみました。
―― 自分で数独サイトを作ろうと思ったのはなぜですか?
そもそものきっかけは、自分自身が数独を楽しむためでした。サイトにも記載しましたが、数独も難問になると、枠の中に可能性のある数字、例えば「1、3」とか「3、4、5」とかをメモ書きしないと私には解けません。紙上でメモ書きを繰り返していると、問題用紙がとても汚くなってしまうのが嫌だったのです。
それから問題の質への不満もあり、自分で解く用に数独の問題を自作し、タブレットで遊ぶことにしました。そしてあるとき、帰省していた娘が私の作ったタブレット数独アプリで遊んでみたところ、「これハマる」と言って何時間も利用してくれました。自分だけ面白いわけではないのだなと分かったことが、サイト作成のきっかけです。
―― 「ちまたの数独問題の難易度に満足できなくなった」というのは本当?
難易度ではなく、質に満足できなくなりました。難問をうたう問題が、仮置きしないと解けなかったり、複数回答があり得たりなどです。
―― 数独における「高難度」の基準はどう定めていますか。
解が得られるまでの複雑さと、“盲点”の多さです。サイトにも記載していますが、「仮置きしないと解けない」「複数回答があり得る」など、行き当たりばったりな解きかたをしないと解けない難問は、問題として未完成なだけだと考えています。このためサイトでは完全に理詰めで解ける難問であることにこだわりました。
ただし“盲点”については、プログラミング上はいまだ仮説にすぎず確証は持っていません。
―― ここまで数独に入れ込むようになったのはなぜですか。
数独は奥が深い魅力的なゲームだからだと思います。もともと五目並べのようなゲームが好きで、個人的にはプログラミングよりもずっと奥が深いと思っています。
―― 今回の件で反響はありましたか。
息子の紹介のおかげで爆発的なアクセス数になりました。いろいろな意見も寄せられています。すごくうれしいと思っています。今まで娘夫婦、息子夫婦くらいしかアクセスしていなかったものが、ツイートの翌日には、1日で5万3000アクセスになりました。
昔、「あなたは本日○○人目の訪問者です」というカウンターを付けていましたが、ほとんど自分しかアクセスしていなかったので、「自分が1日何回数独をやったか」の指標になってしまい、削除しました。今後復活させるくらいに固定ファンをつかむことができればうれしいです。
話題になったことを受けて、その後トップページには「Level6からLevel?までの新作を追加する準備をしています」とのお知らせも。サイトには分かりやすい遊び方解説もあるので、初心者はまずはlevel2から(それでも中級者向けですが)、腕に自信のある人はぜひlevel6以上に挑戦してみてください。
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