居酒屋チェーンの串カツ田中は、店内の禁煙実施後1カ月の売上や客層の変化、客から寄せられた声などをまとめて発表しました。
串カツ田中は6月1日からほぼ全店舗で全席禁煙化、もしくは一部フロア分煙化を実施しています(関連記事)。
今回は全席禁煙を実施している直営86店舗の6月1日〜6月30日のデータを集計し、前年同期と比べています。
売上の変化は下記の通り。
- 客数:増(102.2%)
- 客単価:減(95.0%)
- 売上高:減(97.1%)
客層には次のような変化がありました。
- 増加:家族(+6%)、20代までの一般男女グループ(+1%)、女性・カップル(+1%)
- 減少:会社員・男性グループ(△6%)、30代以上の一般男女グループ(△1%)
客単価減少の要因としては、子どもを含む未成年の客が増加したことと、串カツやドリンクが割引になるキャンペーンを実施したことを挙げています。
新たな課題として、店頭や路上喫煙、ポイ捨ての増加をあげており、清掃の強化などの対策を検討しているそうです。
客からの声では「禁煙になってうれしい」「安心して子どもを連れてこられる」といったプラスの意見の他、「禁煙になって残念」「ゆっくりできない」などのマイナスの意見も寄せられています。
今回の調査では従業員へのアンケート結果もまとめられているのですが、「禁煙だからこそ来る客がいる」「働く上でも快適になった」という声の他、「灰皿の片付けがなくなったので、ウェイティングの客を早く通すことができる」という現場ならではのエピソードがあげられています。
中には来店してから禁煙になったことを知り、利用をやめる客もいるそうで、同店も「まだ禁煙化に対する認知度は低い」としています。
同店は客数に関して「禁煙で一時的に減少する可能性はあるが、理解が浸透すると長期的には増加する」と想定していたとのこと。
実際の動きを見ると、雨などの悪天候やサッカーワールドカップ開催の影響はあったものの、割引キャンペーンの実施やメディアへの露出で客数が増加しており、短期的ながら良い結果が出せたと考えているそうです。
串カツ田中の「禁煙」は10年、20年後を見据えた取り組み。今後の動きにも注目していきたいです。
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観光・レジャーで利用する客やファミリー層からは全車禁煙化へ強い要望があったとのこと。