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「1時間弱」は50分なのか、70分なのか?

自分だけが知っていても困る表現。

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 突然ですが、問題です。人に何かを頼んだとき、「1時間弱かかります」と返事が返ってきたら、およそ何分待てば良いでしょうか?

  • (1):約50分
  • (2):約70分


 最近誤解されがちな「〜弱」という表現についての問題です。「〜弱」は「〜に少し足りない」という意味なのか、「〜と少し」という意味なのか……。

 まずは「〜弱」ということばの意味について確認してみましょう。


正しい意味は「約50分」

 『大辞林』(第三版)で「弱」を引いてみると、「よわいこと」の次に「数量を表す名詞に付いて、端数を切り上げた数字であることを表す」という説明があります。要するに「1時間弱」は切り上げると1時間、すなわち1時間に少し足りない時間であるというわけです。

 つまり、正解は「(1):約50分」! ……としたいところですが、そう簡単にはいきません。

 もしあなたが正しい意味を知っていても、相手が意味を勘違いしていて「1時間弱」を「(2):約70分」の意味で使っていた場合、このやりとりは成り立たないのです。


若い世代ほど誤解している

 NHK放送文化研究所がWeb上で行ったアンケート(2016年実施)によると、「1時間弱」の意味を誤解していた人の割合は、全体では12%でしたが、20代では25%、10代ではなんと34%にまで及んでいます。



データ引用元「「1時間弱」は、1時間よりも長い?短い?」(NHK放送文化研究所)

 これほどまでに誤解が広まっていると、いくら間違いとはいえ無視することはできません。大事な用事なら、「1時間弱」のようなあいまいな表現で済ますのではなく、「○分」のように正確な表現を使うほうがトラブルが起こりにくいといえるでしょう。



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