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トイレのカビ、どうやって掃除すれば落とせるの?

トイレのカビを取る掃除方法、予防策をご紹介します。

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 「掃除しているつもりなのに、便器に黒い点がポツポツ。よく見ると床や天井にまでカビが生えている……。そんな経験はありませんか? トイレは狭い密室空間のため湿気がこもりやすく、カビが生えやすい環境。今回はその掃除方法、カビ対策を解説します。



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どうしてトイレはカビが生えやすいの?

 カビ菌は空気中のどこにでも浮遊していますが、条件がそろった場合に根付いて繁殖し、目に見えて「カビが生えた」状態になります。

 カビ菌の繁殖条件は、湿度80パーセント以上、温度25〜30度の状態だといわれているのですが、密室で常に水たまりがあるトイレは、湿気も気温も上がりやすいため、この条件を満たしやすい場所です。また、手洗いした際の水しぶきや、用を足したときの尿のしぶきなども悪条件(カビ菌にとっては繁殖の好条件)を作り出す原因になります。

【場所別】トイレのカビをきれいにする方法

 トイレの中でも、もっともカビが生えやすい場所は便器ですが、その他の場所も気は抜けません。便器にカビが生えてしまうと、そこからカビ菌が浮遊し、あっという間に壁や床などにまで繁殖しています。また、普段は見えないタンクの中も要注意です。タンクは常に水が張られているため、実はカビが生えやすい場所なのです。

 ここからは、場所別に生えてしまったカビを除去する方法を解説していきます。

便器のカビ



 掃除に使う洗剤は市販のカビ取り剤も有効ですが、乳幼児や敏感肌の方がいる家庭でも安心して使える「重曹」「クエン酸」がおすすめです。

<掃除方法>

  • 1:粉のままの重曹を、便器内に満遍なくふりかける
  • 2:クエン酸水(水100ミリリットルに対し、クエン酸小さじ1杯を混ぜたもの)をスプレーボトルに入れ、便器内に吹き付ける
  • 3:10分間ほど放置して、カビと馴染ませる(重曹とクエン酸が混ざって二酸化炭素の泡が発生します)
  • 4:トイレブラシで、便器内のカビをこすり落とす

 重曹とクエン酸が混ざることで、二酸化炭素の泡が発生します。これにより、重曹、クエン酸を単体で使用するよりも、カビを洗浄する力がアップするといわれています。また、時間を置いてその泡をカビと馴染ませることで、こびりついていたカビが柔らかくなり、ブラシで軽くこするだけでも落ちるようになります。

 それでも落ちない頑固なカビは寝る前に重曹を多めに振りかけ、クエン酸水を念入りにスプレーし、一晩放置してから掃除してみましょう。重曹とクエン酸がカビの根本にまでしっかり浸透するので、蓄積したカビ汚れもスルスル落ちるはずですよ。

壁のカビ



 トイレの壁は便器やタンクと違って水に触れていないので、一見カビが生えにくそうに思えます。しかし、手洗いの際の水はね、用を足した際の尿しぶきで湿りやすく、特に湿気の多い時期にカビが生えることが多い場所です。

 壁のカビの除去で注意すべき点は、使用する洗剤です。市販の塩素系カビ取り剤は、クロスや木材の壁を変色させてしまう可能性があるため、避けた方がいいでしょう。乳酸系のカビ取り剤、消毒用エタノールが掃除に適していますが、もっともおすすめなのはやはり、安全でさまざまな場所の掃除に使える重曹、クエン酸です。

<掃除方法>

  • 1:重曹水を壁に満遍なくスプレーする
  • 2:時間を置かずに水で濡らし固く絞った雑巾で拭き取る
  • 3:クエン酸水を壁一面にスプレーする
  • 4:「2」と同じように、拭き取る
  • 5:乾いた雑巾で壁を乾拭きする
  • 6:換気して、しっかり乾燥させる

 重曹、クエン酸はカビ落としに使えるだけでなく、除菌、消臭効果もあり、一度掃除するとカビが生えにくくなります。ただし、スプレーした後、長時間放置してしまうと、壁の資材が湿って劣化の原因になるので注意してください。

 なお、トイレの壁の素材によっては重曹でも変色してしまう可能性があります。掃除を始める前に、トイレの隅の方で変色しないかどうか試してみましょう。変色してしまいそうな場合は、クエン酸のみを使用するか、消毒用エタノールなどを使用するようにしてください。

床のカビ



 壁同様、トイレの床も水滴や尿のしぶきがかかりやすい場所です。特に、便器と床の境目にカビが生えやすいので、この部分は日頃から掃除することを心掛けてください。床の素材はご家庭によってさまざまかと思いますが、洗剤で変色しやすい木材などの素材なら、壁と同じ掃除方法を試してください。

 タイルやクッションフロアなどの水に強い素材の場合は、塩素系洗剤などの強めの洗剤を使用したり、つけた洗剤をある程度の時間、放置しても問題ありません。

 水に強い素材の床で、壁と同じ方法で掃除しても取れないカビがある場合は、次の方法で掃除してみてください。

<掃除方法>

  • 1:重曹ペーストを作る(洗面器などに粉末の重曹と水を3:1の割合で入れて混ぜる)
  • 2:重曹ペーストを、トイレの床のカビ部分に厚く塗布する
  • 3:重曹ペーストの上から、クエン酸水を満遍なくスプレーする
  • 4:その上から食品用ラップで覆い、密着させるようにパックする
  • 5:30分間ほど放置した後、雑巾で拭き取る

 濃度の高い重曹ペーストは、重曹水よりも効果が高いので、クエン酸水と混ぜてしっかり馴染ませれば、ごっそりカビが取れるはずです。

タンクのカビ



 トイレのタンク内は普段見えないので、便器や床、壁に比べるとつい掃除を怠りがち。しかし、常に水で満たされているため、前述した通りカビが生えやすい場所です。しばらくタンク内を見ていない方は、タンク横の止水栓をマイナスドライバーなどで右に回して閉めてから、タンクのふたを開けてみてください。

 もしも、タンク内にカビが生えていたらカビ取り開始です。なお、自分で簡単に開けられないタイプのトイレタンクの掃除は、無理せず業者に依頼しましょう。

 掃除に使用する洗剤ですが、トイレタンク内は塩素系などの強い洗浄剤を使ってしまうと、(きれいにはなりますが)パイプを腐食させる原因になります。腐食を防ぐには、中性洗剤、無水エタノールなどの低刺激の洗剤が適していますが、やはりここでも重曹&クエン酸が使えます。

<掃除方法>

  • 1:タンク横の止水栓をマイナスドライバーなどで右に回して閉める(止水弁を閉め水を流したとき、あふれないようにするため)
  • 2:タンクの底にカビが発生している場合は、水を流してタンク内を空にする
  • 3:重曹水をタンク内に満遍なくスプレーし、その上からクエン酸水もスプレーする
  • 4:10分間ほど放置し、カビと馴染ませる
  • 5:ブラシやスポンジでカビをこすり落とす
  • 6:タンクのふたをきちんと閉めて、止水栓を元に戻す

 もし、この掃除方法で取りきれないカビがある場合は、重曹ペーストを試してみてください(やり方は床のカビ掃除を参照)。

カビの再発を防ぐ対策

 カビの除去方法をについて説明してきましたが、普段の掃除に比べて面倒ですし、できることなら、初めからカビが発生しないようにしたいものですよね。そこでカビを予防する方法を、いくつかご紹介します。簡単にできるものばかりなので、ぜひ実践してカビ知らずのトイレを目指しましょう。

常に換気する

 カビが好む環境の1つに、高い湿度がありましたよね。換気扇を常に回す、在宅時は窓をできるだけ開けておくなどして、トイレ内の湿度をできるだけ下げるようにしましょう。

 「換気扇をつけっぱなしにするのは、電気代が心配」という人もいるかもしれません。しかし、使用環境にもよりますが、一日中回しても1カ月の電気代は数十〜数百円程度しか変わりません。カビが生えてしまった場合の手間や道具代を考えれば、十分安上がりなのではないでしょうか。

便器・タンク内には重曹を

 カビ取りで大活躍した重曹ですが、カビ予防にも効果があります。トイレ使用後に便器に重曹スプレーを吹き付けておくと、重曹のアルカリの力でカビに繁殖する隙を与えません。

 また、タンク内に重曹を入れておくのもおすすめ。月に1回くらいの頻度で、寝る前などしばらく使用しない時間帯に重曹1カップをタンク内に入れておきます。そうすることによって重曹がタンク内に行きわたり、次にトイレを流すタイミングでしっかり洗浄されます。カビが生える前のタンクなら、これでタンク内の清潔が十分保てるはずですよ。

まめな“ちょっと掃除”

 トイレのきれいを保つための大前提として、まめな掃除が挙げられます。少しでも汚したらその部分だけでも拭き取ってもらう、ブラシでこすり落としてもらうなど、家族全員に協力を仰ぎましょう。



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