クレーンゲームで取った猫のぬいぐるみと、ぬいぐるみに懐かれてしまったおっさんを描いた漫画「おっさんとぬいぐるみのまんが」が、ちょっと不思議だけど和むと話題です。作者はTwitterとnoteで漫画やイラストを公開している漫画家のざわ(@zawafreakbeat)さん。
おっさんが仕事帰りにスーパーに夕飯を買いに行った日のこと。目に止まったクレーンゲームの景品が取れそうだったのでやってみたら、見事1回で取ることができました。手のひらサイズのぼてっとした丸い猫のぬいぐるみが取れて当初は喜んでいましたが、「こんな可愛いの持って……。独身のおっさんが何やってんだって感じだな」と少し後悔し始めます。
おっさんの一人暮らしの部屋にはミスマッチな感じもするし、「職場の誰か欲しがるかしら」と人にあげようと考えるおっさん。その日の夜中、なぜか顔が暑くて目を覚ましてしまったおっさんが枕元を見ると、テーブルに置いておいたはずのぬいぐるみがそこにいました。「寝ぼけて持ってきたかな」と思って、寝るのに邪魔にならないように枕から離して寝直します。
翌日、職場の女性にぬいぐるみをあげようとしたおっさんですが、バッグからぬいぐるみを出そうとしたところ、なぜか見当たりません。「おかしいな。朝入れたと思ったんだけど」
家に帰ると、猫のぬいぐるみはベッドの上に座って出迎えてくれました。テーブルの上に忘れるならともかく、なぜベッドの上に? おっさんは不思議でなりませんでした。とはいえ、ぬいぐるみとは間もなくお別れです。かわいいものが似合いそうなおねえさんがもらってくれると、ぬいぐるみにうれしそうに報告してあげました。
しかしその日の夜中に目を覚ますと、なぜかまたテーブルに置いたはずのぬいぐるみが枕元に……。「……おまえ……、動いてないか?」とぬいぐるみに問うおっさん。こう何度も続くと、ぬいぐるみが動いているとしか思えません。
おっさんはぬいぐるみを同僚にあげるのをやめることにしました。「自分で持ってたくなって」「おっさんが可愛いぬいぐるみ持ってるなんて変だけど」と自嘲を交えながら事情を話すと、同僚は「可愛いもの可愛いって思える人いいじゃないですか」と、茶化すでもなく普通のこととして受け止めてくれました。「おっさんでも可愛いもの持ってていいんだって」とぬいぐるみをむにむにしながら報告するおっさん。心なしかぬいぐるみの表情がなんだかうれしそうです。
そしておっさんが眠る夜中のこと。テーブルの上に置いておいた猫のぬいぐるみに“にゅ”と足が生えて、突然立ち上がったではないですか! さらにぴょんとベッドの上に飛び乗っておっさんの眠る枕元にコロンと寝転び、またいつもの丸い体に戻っておっさんの首元で眠ってしまいました。「やっぱ動いてるな……」と決定的瞬間を感じ取ってしまったおっさん。怪奇現象と言うにはあまり怖くない、ちょっと不思議なぬいぐるみとの生活が始まりました。
常に無表情ながら、おっさんのことを気に入っているというのはとてもよく伝わってくる不思議な猫のぬいぐるみ。ぬいぐるみに足が生えたり勝手に動いたりして怖いはずなのに、無表情な顔が愛嬌あってほんわか和んでしまいます。
漫画の読者からは「癒された」「表情が変わらないのもかわいい」「変に事件が起きないのがのほほんとして和む」など、おっさんとぬいぐるみのやり取りに癒された人からのリプライが多数寄せられています。
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