「深淵を覗く時 深淵もまたあなたを覗いている」……これは有名な哲学者のニーチェの言葉ですが、なぜか巡り巡って「深淵」さんが漫画化されてしまいました。
発端となったのはTwitterユーザー黒ピコ(@pico3104)さんの投稿。ニーチェの言葉をモチーフに、「深淵を覗く時、暗くてよく見えないのだ」とシュールなツイートをしたところ、18000に迫るリツイートと、44000を超えるいいねを獲得しました。そのツイートにインスパイアされた初極(@hakkaq)さんが、なんとこのツイートを漫画に描き下ろし。こちらもTwitterで人気を博しています。
漫画に登場するのは、セーラー服を身にまとった少女の“私”。なんとなく、もしくは勇気を出して深淵を覗いてみます。ところが「んー、なんかいる?」と、深淵は暗くてよく見えません。最深部には何かがうごめいて見えるようないないような……。
漫画では場面が転換し、なんと深淵の方から地上を見上げる構図に。そちらからの光景は……「逆光であなたがよく見えてない」のでした。そっちからも見えてないんかい。
しかし深淵の底には確かに、逆光でよく見えず首をかしげる何かしらの“存在”がいたのでした。「ダレかいる〜? まぶしいなあ…」とつぶやくこの“存在”は一体何者なのでしょうか。
初極さんはさらに、「深淵を覗くものの顛末というか落ち」というタイトルで漫画の続きも公開しています。
もっと覗こうとして足を滑らせた“私”。もしかしたら、むこう側に引き込まれてしまった……? そんなことを思いつつ、真っ逆さまに落ちていきますが、意外にもあっさりと底にたどり着きます。「浅いなおい」とツッコミつつ目を開いてみると……。
なんとそこは深淵の底ではなく、例の“存在”の巨大な手のひらの上。その何者かは“私”をそっと地上に戻しつつ、「だいじょうぶ?」「気をつけてね」と声をかけてくれるのでありました。やさしい。
慣れない日光に触れ「熱いッ!!」と口走りながらも、深淵へと戻っていくその“存在”に、“私”は「また覗きに来よう」と思ったのでした。
哲学や言葉にはさまざまな解釈が存在するもの。ニーチェの言葉にも複数の解釈があるように、黒ピコさんのツイートにも、初極さんの漫画にも、深い意味が隠されているかもしれず、そうでないかもしれず、この漫画を読みつつ、また読者がそれぞれの解釈を展開していくのかもしれません。深淵を覗いたら見えるものとは? そこにあるのは天使か悪魔か、常識か非常識か、はたまた……。覗き返してくるものは、一体何なのでしょうね。
画像提供:初極(@hakkaq)さん
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