消費者庁が、「スマホをタップするだけでお金が稼げる」などとうたう事業者について注意喚起しています。怪しい話に乗ってはいけない。
同庁は「株式会社Quest」(※)の取引において、虚偽や誇大広告など消費者の利益を不当に害するおそれのある行為を確認。具体的にはSNSなどの広告から同社の運営するサイトに誘導し、「稼ぎたい方必見!応募者全員ハズレ無し!」「スマホタップで月収200万のお手軽副業術参加権!」といったうたい文句で情報商材を販売する手口でした。
同社は氏名やメールアドレスを登録した消費者へLINEやサイトで連絡。「ビジネス考案者の『あやパン(通称)』は料理の合間にスマホを操作するだけで2万円の収益を得た」「1期生は今でも月収10万円を得ている」「5万円プレゼント実施中」などと送信し、ビジネスの申し込み用サイトへ誘導します。
申し込んだ消費者へは「2期生だけの特別価格1万8000円」などとして、せどりなどのノウハウが書かれたPDFファイルを販売。さらに、高い収益を得るために別途必要だとして、7〜120万円の有料コースへ加入するよう執ように勧誘してくるといいます。確実に元が取れるかのように説明されますが、支払った金額以上の収益を上げるのは難しいとのことです。
消費者庁が調査したところ、あやパンなる人物は同社が演じさせた架空の存在であり、「1期生」も実在しないことが判明。また、「5万円プレゼント」の受け取りに厳しい条件があることが、事前に説明されていないといった問題も確認されています。
Questの代表者は廃業する旨を述べているものの、10月16日時点で商業登記に変更はないとのこと。消費者庁は今後も別の事業者が同様の手口で消費者被害を引き起こす可能性があるとみて、少しでも怪しい勧誘があったらすぐに契約せず、消費者ホットライン(188番)や警察(#9110)へ電話するよう注意を呼びかけています。
(沓澤真二)
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