ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
ニュース

結婚前の女性が昔の恋人と再会……その行方は? ラストが重く刺さる漫画「鯖とコーヒー」

ずしっと来る読後感。

advertisement

 6年ぶりに再会したかつての恋人同士を描いた短編作品「鯖とコーヒー」を、漫画家の奥香織(@okukaori1124)さんがTwitterで公開しました。2人の距離感を、絶妙な“間”で描いています。


アイキャッチ 再会の場所は、思い出の喫茶店。彼女が頼んだのは昔からのお気に入り、「鯖とコーヒー」

 「長い間待たせてごめん」と健治が訪れたのは、昔ながらの静かな喫茶店。奈央子は長らくの疎遠をとがめずに、会えて良かったと再会を喜んでいます。そんななか、健治が言いよどみながら口にした言葉は、「婚約おめでとう」。奈央子は一瞬、複雑な思いを表情に見せながら、元恋人からの祝福を受け入れました。


1P

2P

3P

4P

 少々気まずい空気が流れたとき、奈央子が注文していた、サバの塩焼きとブレンドコーヒーを店員が持ってきました。不思議な組み合わせながら、彼女にとっては昔からのお気に入りの様子。これをサカナに、2人は交際していた6年前の思い出を語り合います。


5P

6P

 すると突然、健治は「おれたちが付き合っていたことを、ヒロムは知っているのか」と問います。奈央子と婚約者のヒロムは、健治も一緒のサークル仲間だったのです。しかし奈央子は「もう昔のことだから」と話題を打ち切り、2人の別れを振り返ります。


7P

8P

9P

 実は6年前、健治はエベレストの単独登頂に挑戦していました。そしてそのころ、奈央子は彼の子どもを身ごもり、流産していたのです。重大な事実を初めて知らされ、健治はうろたえることに。


10P

11P

12P

 「私だって健治を待てなかった。結局、合わなかったのね」と別れた要因を語る奈央子に、健治は反論。自分は登頂を成功させて日本に帰ったらプロポーズするつもりだったと告白します。ただし、「滑落するその瞬間まで」は……!? では、ここに無事でいる健治は何者なのか。


13P

 健治はあらためて、「おれと一緒に来てくれよ」と告白しますが、奈央子の返事は「無理よ」。現実を受け入れた健治は、「一度くらいサバとコーヒーを一緒に食っとけばよかった」と語りながら、奈央子の幸せを願うのでした。


14-15P

16P

17P

 「ありがとう。健治もゆっくり眠ってねー……」と、奈央子が言った先には誰もおらず、コーヒーが湯気を立てるのみ。彼女はヒロムからの着信を受けると、「健治の遺体が“昨日”発見された」ことを伝えるのでした。つまり、奈央子は喫茶店に、ずっと1人でいたのです。きっと、健治への思いを整理するために、脳内に彼を描きながら。


18P 冒頭の「長い間待たせてごめん」の真意がラストで

 微細なタッチで男女の機微を描き、意外なラストで重い読後感をもたらしたこの漫画。作者は「やわらかスピリッツ」にて、「ゼロから始める事故物件生活」を連載中です。


作品提供:奥香織(@okukaori1124)さん

(沓澤真二)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る