「ヘルプマーク」や「マタニティマーク」など、何らかのサポートを必要としている人が身に着けるマーク。他にも「オレンジリング」や「命のバトン」など、知っておくと共生社会に役立ちそうなマークやアイテムをまとめた漫画が、とてもタメになります。覚えておくと誰かのために、そしていつかの自分のためにもなるかも……?
漫画を描いたのは、看護師のせやろか(@seya_roka)さん。医療や介護を学ぶなかで、もっと世の中に広まるといいなと思った5つのマークや制度について説明しています。
まずは赤地に白色の十字&ハートが並んだ「ヘルプマーク」。義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせるために、東京都福祉保健局が作成したマークです。赤十字と似ているけど意味がけっこう違う……!
おそらく一番認知度が高いのが、妊婦さんのための「マタニティマーク」。厚生労働省によると「妊産婦が交通機関等を利用する際に身につけ、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするもの」です。妊婦さんの体調の変化を気づかい、赤ちゃんとの健やかな成長のため、座席を譲ったり、声がけをしたり、少しでもサポートできるといいですね。私たちはみんなお母さんから産まれているのだから!
そして聞き慣れないのが「オレンジリング」。手首などに着けるオレンジ色のリストバンドですが、これは装着者が「認知症サポーター」であることを示すアイテムです。認知症に関する講座を受け、正しく理解している人に渡されているのだそうです。もし認知症関連でトラブルが起こった際、このマークを着けた人がいたら頼りたいところ……。
さらにマイナーなのが「命のバトン」……ドラマか映画のタイトルみたいです。試験官のようなケースに用紙が入っている見た目ですが、こちらは高齢者や障がい者が急病時に救急隊やかかりつけ医に情報を確実に知らせるため、あらかじめかかりつけ医や持病、お薬などについて書いた医療情報紙を入れたものとなっています。
呼び方は「命のバトン」だけでなく、「冷蔵庫保管用医療情報キット」や「安心情報キット」など地方によって異なるそうです。夕張市の「命のバトン」の取り組みは公式サイトで確認できます(せやろかさんはNPO法人「ナルク」のサイトを参考にしたとのこと)。
ちなみに、ヘルプマークと形が似ている白地に赤色の「赤十字」マーク。こちらは赤十字が許可したもののみにしか使うことができず、勝手に使用した場合は犯罪になることを漫画では啓発しています。実際日本赤十字のサイトによると「違反すると6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる」とのことなのでご注意を。
マタニティマークも厚生労働省が商標登録しており、厚生労働省の公式サイトには「改変して類似するデザインを使用することは、商標権侵害に当たるためご注意ください」とあります。勝手に改変して営利目的で使ったりと、権利を侵害しないよう注意が必要ですね。
漫画には「正しく広まることが大切」「勉強になる」などの共感の声が集まっています。もし、私たちが今、特にサポートを必要とせず生きることができていたとしても、明日はどうなるかわかりません。誰かのためにも自分のためにも、どういったサポートを必要な人がいて、どういったサポートができるのか、知っておきたいですね!
画像提供:せやろか(@seya_roka)さん
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 尿路結石の経験を描く漫画がマジ怖い 「立てなくなるほどの激痛」「運動と水分の不足に注意」
特にフリーランサーの場合は健康診断を忘れずに。 - 育ての親のおばあちゃんが認知症に 介護者の弱さをさらけ出す漫画『祖母の髪を切った日』が他人事として読めない
心を掴まれるような描写の数々。 - 「疲れた」「眠い」は危険のサインだった――子どもの熱中症体験漫画が話題に 「湿度にも気をつけて」
湿度が高いと汗が蒸発しにくく、身体に熱がこもりやすくなってしまいます。 - 熱中症から来る頭痛に頭痛薬は危険 血管を収縮させて腎臓にダメージ
自己判断で市販薬を使わず、まず薬剤師と相談するのが最重要。 - 甘くみちゃダメ! アレルギーで救急搬送された体験マンガに反響
アレルギーは命にかかわります。 - ヘルプマークを付け始めて数年、初めて声をかけてもらった――勇気づけられた女性、救いの主とTwitterで再会
ヘルプマーク、もっと認知されるといいですね。 - 抗体がつきにくい妊婦さんの“風疹への恐怖”を描いたマンガに反響 「私も怖かった」「声を上げてくれてありがとう」の声
妊婦さんだけの問題ではない……! - 最短30分で医師が家に来てくれる「ファストドクター」に助けられた漫画が話題に 運営会社に話を聞いた
高齢者の対応から始まったという「ファストドクター」。一体どのように運営されているのでしょうか。 - “はしか”による高熱と脱水で生命の危機 感染経験者が漫画でつづる生々しい体験談が注意喚起として広まる
「はしかの症状が疑われる場合はすぐに病院へ行かず、まずは保健所に連絡を」。 - もし見かけたら援助や配慮を 赤地に白い十字とハートのデザイン「ヘルプマーク」を実体験の漫画で知る
見た目は健康そうでも助けを必要としている人がいるかもしれません。 - 「救急車を呼ぶか迷ったときに」 夜中3時に謎の呼吸困難になった漫画家の体験談で「#7119」広まる
風邪が長引いていると思っているうちに呼吸困難に……連絡しなかったら危ないところでした。