陶芸教室の先生の枯山水さん(@Karesansui_CW)が、「マナー講師撲滅用とっくり」を作り人気となっています。注ぎ口が3つに分かれており、角度調整によって無理に注ぎ口を避けるとあらぬ方向に酒が流れてテーブルを汚す仕組み。わなのようなマナーにわなのような構造が襲いかかる!
これは、テレビ放送などにより拡散され波紋を呼んだ、「とっくりでお酌をする祭は注ぎ口を使わず丸い部分から注ぐ」というマナーに対抗するべく作られたもの。用意されているものをあえて避けるという分かりづらいマナーに反発する声が多数上がったほか、日本サービスマナー協会の講師も「普通に注ぎ口を使ったほうが良いのではないか」と取材に回答しています(関連記事)。
そしてこのマナーにからめ手を取ったのが、今回の「マナー講師撲滅用とっくり」となります。マナーを守ろうとすると周囲がビシャビシャになり余計に失礼になる、何が何でも注ぎ口を使わせるという強い意志を感じる構造となっています。注ぎ口を使ってはいけないマナーを広めた人に渡したら、一生注ぐことができずその場から動けなくなりそう。
花弁のような口にすることでインスタ映えも狙っており、オシャレ度も高い作りとなっています。あまりインスタで注目されることのないとっくりのデザインに、新しい風をもたらすかもしれません。
枯山水さんは、「これはジョークグッズなんですけど真面目な話、結構激おこ案件なんですよね。徳利の注ぎ口は使い手に気持ちよく使って頂きたいという親切心から付けるんです。全く理にかなわないマナーで作り手の善意踏み躙るのやめませんか?」とツイート。陶芸教室の先生として、今回のマナー騒動に意見を述べています。
このとっくりにリプライ欄などでは、「とてもきれいな注ぎ口です」マナー講師云々の前にいいデザインだから焼いたあとの絵も気になる「世界はあなたを待っていた」「グッドデザイン賞もの」「きっとまたこの徳利がマナー違反だと言い出すマナー講師がいずれ……」「マナー創作講師ですねw」といった声が上がっていました。
この「マナー講師撲滅用とっくり」は、教室の店頭での販売のほか、マーケットアプリでの出品も検討中とのこと。値段は1000円程度を予定しているそうです。
12月17日になり、販売について詳しい情報が投稿されました。店頭では12月21日から、ネット販売に出さない規格のものも用意しているそうです。値段は1200〜2000円程度。ネット販売も同日からで、minne(ミンネ)を利用するとのこと。価格は初回生産版は1200円、それ以降は2100円で販売します。
【更新:2018年12月17日10時40分 販売情報について追記しました。】
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激しく勘違いしていたあの頃。