プリキュアのコスプレでマラソンに参加する理由とは 「なんでもできる! なんでもなれる!」を体現
陸連登録者の仮装は禁止だからと、登録を外して挑む執念。2年ぶりに神戸マラソンに参加し力走する姿が話題に。
11月18日に開催された第8回神戸マラソンに、「HUGっと!プリキュア」の「キュアエール」にコスプレした男性が参加。2時間43分11秒、87位でゴールする力走を見せ、観衆を大いに沸かせました。
- 参考:今年も速すぎるプリキュアランナー 神戸マラソン(神戸新聞NEXT)
キュアエールにふんして走ったのは、Twitterでマラソンサニー(@marathonsunny)を名乗る男性。全国各地のマラソン大会にコスプレで参加しており、特に神戸マラソンでは、毎年恒例の名物として親しまれる存在でした。
ところが2017年、日本陸上競技連盟(陸連)に登録された競技者は、仮装での出場が禁止に。マラソンサニーさんもしかたなく、「仮装」と解釈されにくい『弱虫ペダル』のサイクルウェアで参加したそうです。それでもプリキュアの姿を楽しみにする人の期待に応えたいと、2018年は陸連登録を外れて出場したといいます。
なぜそこまでしてコスプレで走るのか――。きっかけは東日本大震災だったとマラソンサニーさん。過去に走ったマラソンコースの町並みが、津波にのみ込まれていく映像をテレビで見て、相当なショックを受けたのだそうです。
数年後、その町でマラソン大会が再開されると知り、被災地のために何かできればと思ったとき、浮かんだのが仮装での参加。動きやすく子どもに認知されていて、元ネタを知らない人でも笑えるように衣装を……と考えているうちに、プリキュアに決まったそうです。
衣装は手作りで、制作期間は約1カ月。発汗を考慮して生地にはポリエステルを用いているそうです。また、肩まわりは少し大きめに、スカートはジャマにならないよう短め。小物はなくしたり落としたりしないよう、可能な限り縫い付けるなど、走りやすさを考慮して作っているとのことです。
観衆の反応はというと、プリキュアを知る子どもたちから「プリキュアがんばれ」と応援されたり、男の子からは「男や!」と笑われたり。ノリ良く応援する中高生や、セーラームーンと勘違いする年輩の人など、老若男女からたくさんの応援をもらっているそうです。最近はネットで知られているためほかの選手も好意的で、ゴール後は一緒に記念撮影などしているのだとか。
プリキュア以外にも、「舞鶴赤れんがハーフマラソン」を「艦これ」の衣装で、「ノーザンホースパークマラソン」を「ウマ娘」でと、各地の町おこしに助力できればという思いで走るマラソンサニーさん。今後は機会があれば、クロスカントリースキー大会など、興味を持ったことにいろいろ挑戦していきたいと語りました。
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